公演情報
劇団art box「Transit 〜an echo chamber without noticing」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/09/04 (金) 19:00
佐野みやこの葬儀に集まったのは、彼女の“友人”たち。
参列者たちは死者を悼むどころか、みやこが死人に口無しなのを良いことに、自称シンガーであったみやこが巻き起こしたトラブルに振り回され続けた自分たちの苦労を悼み合い、笑い合っていた。
「誰が私を殺したのよ!?」
葬儀の“主役”であるはずのみやこが突然目を覚ます。
みやこは、死後の案内人の力を借りて、飛び散った記憶の欠片を集め、自分は殺された事前提で、その犯人探しをしていく話という、コメディで、ファンタジーで、ミステリー要素もとてんこ盛りで大いに面白かった。
過去に役者を目指し挫折して、現在バー経営しているが、仕事をせずバーのバイトの佐藤千香に仕事を全部押し付け、自分は何もしないがどこか憎めない篠田啓介、バーのバイトの佐藤千香はそんなバー経営者の篠田に呆れ、突っ込みながらも、自身は密かに歌手になることを夢見ながらも、引っ込み思案で、中々プロになる一歩に近付けずにいたり、売れない役者で父親が生きている時に亡くなった父親との関係性を上手く解消出来ず、普段はバーに集まる人たちに振り回される葉山悟。
千香の大学時代の同級生で、思ったことをはっきりストレートに言って、どこか言葉尻にキツさを強く感じさせる麻田萌衣、同じく千香の大学時代の同級生で、無類のディズニー大好きで、どこか夢見がちで、おっとりとしている西野まり、売れない歌手で、人によっては当たりが強い高瀬由結と、みんな個性豊かで、アクが強いが、それぞれの抱えている自身の夢への悩みや人間関係の悩み等も劇中丁寧に描いていて、私たち1人1人が誰もが必ずと言っていい程ぶつかる悩みや壁と共通するように感じる部分も多く、私たち1人1人の人生における悩みや壁と重ね合わせて考え、共感しやすかった。
みやこの友人たちは言いたい放題言いながら、劇の最後の方では、結果としてみやこと関わったことで、トラブルに巻き込まれたり、迷惑することも多かったが、自分たちが抱える自身の夢への悩みや人間関係の悩み等の悩みに対して生前みやこが土足で踏み込み、ズケズケ言うことに辟易しながらも、そういうみやこによって少し救われていたことが分かってくるという結果に、多少は亡くなった佐野みやこにとっても報われたのではない感じ、胸を撫で下ろした。
ただ、最期の最後で、佐野みやこの幽霊が予想を上回るハッピーエンドな結果に衝撃的過ぎた。
死後の案内人がどう見てもドラァグクイーンにしか見えない風貌と言動で、凄く印象に残った。