NUMBERS【全公演中止決定。いつか必ず再演を。】 公演情報 Sun-mallstudio produce「NUMBERS【全公演中止決定。いつか必ず再演を。】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    小劇場常連の上級者向け?
    共通テーマ「確率」で、4つの劇団による競作企画。
    15minutesみたいな劇団紹介企画かと思って観にいったが、小劇場常連の上級者向けの企画なのだろうか。
    配役表がないので、出演者多数の演目は、既知の俳優以外、注目した俳優も名前がわからないのが、個人的には残念。

    ネタバレBOX

    「ブラインド・タッチ」(DART'S)
    目をえぐられ、閉じ込められた密室の中で疑心暗鬼な状況で、血塗られた惨劇殺戮が繰り広げられる。
    密室のオートロックキーを開けられる確率は100万分の1というわけだ。
    猟奇的な内容なので、小劇場のような舞台が至近距離の芝居で、こういうものは観たくないと言うのが個人的実感。
    演じる俳優にとっては、刺激的な作品だとは思うが。

    「轟くヘヤー!!」(世田谷シルク)
    “イケメン・オーディション”で男優陣を選んだそうだ。
    パチンコ店を舞台に、現在50歳代にはなっているはずの往年のアイドル「えみりーゆうな」の「新台」に集まる男たちの話。
    えみりーゆうなそっくりの若い新米女店員(えみりーゆうな)が文字通り紅一点の存在。
    サディスティックな店長に堀越涼(花組芝居)、姉を探す中年男に日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)。
    イカサマを店長に見抜かれた中年男は女店員を姉だと言うのだが、「アイドルは年取らない」って本当?それとも男の妄想?
    痔病で小さめのドーナツ座布団を持ち歩く目立つ男を岩田裕耳(電動夏子安置システム)が演じ、独特な持ち味を発揮するが、ドラマにおける役の必然性を感じない。
    いつもの世田谷シルクとは趣の異なる作品だが、10人男性がいて十人十色というだけで、テーマである確率(10分の1)という意図が伝わってこなかった。
    パチンコ店というより、キャバクラみたいだ。お約束のダンス場面はいつもどおりあります。

    「うしろ姿を数えてみる」(The Stone Age ブライアント)
    希望、落ち込みを100回、人間に繰り返させ、100回目にヒトダマを手に入れて「あの世」に帰れるという「鬼」の話。
    鬼のベニコが不治の病をかかえた少女からヒトダマを手に入れるが、取り返されてしまい、100回目に絶望すると、鬼のキカワダはベニコのヒトダマを手に入れて本懐を遂げる。
    話としてはブラック・ユーモアで面白いのだが、ベニコが文字通り「飴と鞭」を使い分けて少女を苦しめる場面が酷くて、観ていて不快になり、演劇表現における“生”の危険性を感じた。
    鬼の同居人のホームレスのナナシを演じた俳優が飄々として巧い。

    「ロマネコンティ2006」同居人
    ホステス(西丸優子)は、幼い娘を連れて店の客(押田健史)と再婚したが、娘は交通事故で亡くなり、以来、精神不安定な日々を送る。
    夫が娘の手を一瞬離したことで、妻は夫を責め続け、失業中の夫に離婚話を持ち出すのだが・・・。
    夫婦2人の緊迫した会話劇で見ごたえがあった。4作中、自分の中では、一番高評価。
    作・演出の山本了含め、3人の劇団で、2人芝居を続けているというのも興味深い。


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    2011/03/11 13:54

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