善人の条件 公演情報 diamond-Z「善人の条件」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。本作はジェームス三木氏の映画監督デビュー作であり、舞台も自ら原作・脚本を務めたとある。その作品に挑むのが結成10周年を迎えるdiamond-Z。文学座のシニア世代を対象とした「プラチナクラス」で学んだ仲間達が、演劇を楽しむ場として作ったユニットで、定期的に公演を行っている。

    1989年作、主人公はクリーンな民主主義市政を目指し立候補するが、選挙戦を通じて土地柄や習慣などで、だんだん金権選挙戦の渦に巻き込まれていく。その悲哀と狂気を 時にユーモラスに描いた物語。現代の選挙戦ではSNSを駆使し誹謗中傷や流言飛語といった攻防戦が繰り広げられるが、約40年前の作品にもそれを彷彿とさせるようなシーンがある。それでも地盤・看板・カバン(金)といったサンバンは今でも変わらないだろう。改めて観ておきたい作品。
    (上演時間1時間50分 休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、始めは 亡くなった市長宅のリビング---中央に応接セット(テーブルとソファ)。次に選挙事務所---上手にミニテーブルと椅子、下手に電話を掛ける運動員のテーブル。どちらも簡素、そして後壁に情景映像を映し出すことによって 奥行空間が生まれる。選挙戦が始まると、観客を有権者に見立て、客席通路を選挙タスキをした立候補者(清川善彦)が手を振りながら歩き回り ときどき握手までする。映像では出来ない臨場感、まさに舞台ならではの演出だろう。

    物語は、関東北部にある小都市・日暮市、不動産会社のバックアップで、リゾート開発を目指していた清川市長が 愛人宅で急死。 後援会が後継者選びに苦心する間に、反対派閥の県議が立候補を宣言する。市長派は、市長の娘婿で大学助教授の牧原善彦に白羽の矢を立てた。 理想家肌の善彦は、教育文化都市の構想を説き クリーン選挙を条件として立候補を承諾、名前も清川姓へ改名。ここまでが一幕目。

    2幕目は、選挙参謀や後援会が活動を始めると、すべてはカネで動かす。善彦は抵抗するが、金権選挙の風土には勝てず、不本意ながらカネまみれの事前運動に巻き込まれていく。 やがて、善彦の妻(前市長の娘)の不倫を暴く怪文書がばらまかれる。善彦の家庭は破綻寸前、しかし選挙カーの上ではおしどり夫婦を演じなければならない。善彦は身も心もボロボロになって行く。そして投票日前日の演説で、彼が有権者たちに語ったことーこの国に本当の民主主義があるのか。

    序盤は演技が少し固いな と思ったが、だんだんと熱を帯び 登場人物のキャラクターになっていく。シニアということもあり、良い意味で登場人物の一癖も二癖もある役が馴染んでいく。そこに このユニットの味わいや強みがあるように思う。「選挙」を通して垣間見る、人間の狂気と金と欲の世界。「選挙」というショービジネスに踊らされた人々の滑稽な姿、それは日本の将来を憂うようでもある。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2026/09/06 06:56

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  • ご観劇ありがとうございました。コメント励みになりました。また次回もよろしくお願いします。

    2026/09/07 15:53

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