日本人のへそ 公演情報 こまつ座「日本人のへそ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    すっかり煙にまかれ!
    確かに井上作品の原点なのでしょう。若い井上さんを感じました。

    ネタバレBOX

    前半が1時間50分、休憩15分を挟んで後半が55分。最初張り紙を観たとき、なんでこんなにいびつな分け方をしているんだろうと思いました。案の定、前半の途中でトイレに立たれたご老人もいたくらいでした。しかし、それには理由があったんですねー!

    前半は吃音治療の一環として吃音患者たちによる集団劇で、患者の一人であるヘレン天津の半生記を描いた物語、そしてその最後に政治家が刺される殺人未遂事件が起こり、後半はさらに殺人へと発展したその事件の解決編という様相で進行し…、と思いきや、ラストのどんでん返しで全てはヘレン天津の浮気を疑った政治家の壮大なお芝居だったというものでした。

    初演の1969年当時は30代中頃ですか、井上さんも若かったんですね。始まってすぐに乳揉みたい的な台詞がしつこく出てきたり、集団就職を前にどうせ東京へ行ったら誰かにやられるんだからいっそ今自分の手でと考えた父親による凌辱がヘレンの吃音の原因であったりと性描写が少し露骨でした。

    社会の構造も、チンピラ、やくざの親分、右翼、政治家という階層になっていて、政治家も主流、反主流、当選回数による序列に縛られているというものでした。当時は面白かったかもしれませんが今見ると古い感じがします。

    もし井上さんが生きていたら、現在に置き換えるくらいの手直しをされたのではないかという気がしました。

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    2011/03/10 10:57

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