公演情報
diamond-Z「善人の条件」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★
北関東、三期目を務める日暮市市長が任期中に急死。対立していた市長の弟が出馬を表明。未亡人(デコウトみゆきさん)陣営は娘(竹野朱美さん)の夫であり、東京の女子大学で准教授をしている川崎拓己氏に後継候補として白羽の矢を立てる。全くその気のない川崎拓己氏をひたすら口説く陣営。市議会議長で土建屋の日向進吾氏、元高校校長で後援会長の小須田正孝氏、市議で幼稚園を経営している宮本賀奈子さん。リゾート開発の巨大な利権が絡んでおり、ここで計画が頓挫する訳にはいかない。建設会社から派遣された常務(成田奈緒子さん)は選挙戦に金を用意。金と欲に塗れた醜悪な彼等の話を聞く内に気が変わった川崎拓己氏は出馬する気になる。それはこの腐った世界を自分の力で浄化し公職選挙法に則った清く正しくクリーンな選挙戦を行なう為だった。
初日だったからか台詞の飛びやつっかえ、妙な間などトラブルも多発。前半はグルーヴ感がなく盛り上がらずじまい。清川虹子っぽいデコウトみゆきさんが何とか場の空気を維持させようと奮闘。森次晃嗣っぽい選挙ブローカー・中村利一氏が登場するとダイナミックに動き、場を盛り上げてみせる。そしてMVPである元県警捜査二課長で選挙プランナー役の永井寛孝(かんこう)氏の登場。ウエストランド井口に話し方が似ている。この人のリアルな存在感のお蔭で観客の作品への受け止め方ががらっと変わる。大雑把な政治コメディからガチで人間社会に斬り込む危険なネタだと。
筒井康隆風味のブラックな脚本が良い。この全てぶっちゃける潔さに感心した。伊丹十三作品の系譜。大林宣彦の『女ざかり』や中島貞夫の『暴力金脈』のような核心を突く鋭さ。理想に燃える主人公が現実に叩きのめされこの世の真実を味わって考え方を変えていく様。ラストが素晴らしい。