公演情報
株式会社GEトラスト「舞台「キリシマサトル、青春の蹉跌」」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
1974年から75年にかけての連続企業爆破事件の犯人の桐島聡の50年に及ぶ逃亡を回想/悔悟、それをドキュメンタリー映画として撮影しているという物語。ノンフィクションとフィクションを綯交ぜにして彼と周りの人々の情況を過去と現代を交差させながら展開していく。撮影過程を通して 映像を残(遺)す意味が浮き彫りになっていく。
今から半世紀も前の事件は、当時の社会状況や世相を知らない若い世代にどう受け入れられるのか。’70年代の若者たちの国家(権力)への不平・不満を爆発させる、そんな滾る思いが描かれている。しかし現代からみれば その行為は非合法極まりないもの。犯人たちの思いが暴走し、当初の意図とはかけ離れた結果になる。その見えざる同調圧力のような恐怖が 今にも通じるようだ。翻って 自分の考えをしっかり持って世の中を見ていないと といった思いを強くした。
桐島聡は北海道出身という設定、大学進学のため上京し何となく「勉強会」へ参加する。そのリーダーは 北海道のアイヌや沖縄における偏見や差別的問題を言葉巧みに訴える。聡の内に燻っていた思いに火が付いた。公演では 桐島が爆破事件に関与し、半世紀後に過去を総括する といった手法で描いている。同時に若者らしい青春-恋愛を織り込み甘酸っぱいシーンもある。
現代の桐島聡(ダンカン サン)が主人公であるが、ドキュメンタリー映画監督のクドウミズカ(有栖川朋花サン)の快演であり怪演が主演を食っているような印象。また聡の母せつ(前園あかりサン)の哀切ある老婆ぶりに驚かされた。キャスト一人ひとりの立場や性格をしっかり立ち上げ 観客を戦慄と興奮へ。まさに正気と狂気は紙一重、見応え十分。
(上演時間1時間50分 休憩なし) 追記予定