Blue moment 2026 公演情報 Theater Company 夜明け「Blue moment 2026」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     下手側、上手側に階段状の構造を作り、手前観客席側が広い踊り場のようになって、演技、ダンスなどが繰り広げられる。基本的に等身大の人生の生き様が描かれてグー。尺は2時間半、休憩なしとちと長いが一切長さは感じず没入できる。吹奏楽部の演奏シーンの音響効果は抜群。

    ネタバレBOX

     兎に角、ダンサーを含めて総勢35名が出演する迫力は、大スタジオを使うにもってこい。箱の大きな小屋で上手い劇団が少人数で演じても観客に届けられるエネルギーが小さい為、中々役者及び演者の発するエネルギーの力で観客を圧倒できないものだが(その分、大抵は装置の圧倒的な迫力や美しさ、照明、音響等の極めて高度な用い方と迫力、脚本・演出の素晴らしさ等で補完しつつ観客に役者陣のエネルギーを伝える訳だが、成功することは稀である。
     今作は我々の生活と同じ時系列、即ち過去から未来へのみ流れる時系列に沿って展開してゆくから観る側もこの点に関しては素で居られる。当然、メインストリームは子供時代から各々の成長年代に従って描かれてゆく。観客はこの流れに従って自らの生涯を重ね合わせながら追体験をするという構造だ。つまり、虚構を自らのことと感じてでもいるように観入るのである。この辺り、脚本の上手さが光る。尺は休憩無しの2時間半だが、終始、自分事として没入できるので長さは一切苦にならない。登場人物たち各々が、天才とか英雄、偉いさんではなく何処にでも居る普通の人々であるという設定も観客の生活体験と重なり、単なる物語というより、普通の人々が日々体験しているこうもしたい、ああもしてみたいが、思うように実現できない、上手くゆかない等々で苦しみ、絶望の淵に追い込まれ、時には思い余って・・・等々、どうにもならない状況を何とか生き延びている生き様が、目の前にごろっと提示されているような効果を齎してくる。
     バイクが風を切り、自由を謳歌する精神そのもののように兎に角走り続けようともがく我々を先導するかのように象徴的に用いられている点で、ともすれば自分を見失い、絶望の余り自暴自棄に陥って自滅しかねない起き上がり小法師のような我々を牽引してゆくのもグー。妻との間に生まれるハズであった子が、水子の形で現れ深く洞察的な科白で物語の世俗性を締める脚本の鋭さも相俟ってラストをどう解釈するかは観客の判断に委ねられているが、心に残る良い作品である。
     スタッフさん達の対応も親切、丁寧。お礼申し上げる。

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    2026/08/30 14:45

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