超!スーパーウルトラハイパーサンダーローリングなんとか【公演終了しました。ご来場ありがとうございました。】 公演情報 元東京バンビ「超!スーパーウルトラハイパーサンダーローリングなんとか【公演終了しました。ご来場ありがとうございました。】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    正直、まずフライヤーが目を引いた
    それは、思わずベッドの下に隠したくなるようなモノなのだ。
    それと、長ったらしいタイトルにも惹かれた。
    そして、面白かったのだ。

    ネタバレBOX

    物語の舞台となるのは、フライヤーどおりの弱小エロ本出版社。

    舞台の上の出版社は、どちらかと言うと、普通の零細出版社の様子であったと言える。扱っている内容がエロだというだけのこと。もっとも、実際、そうなのだけど。
    仕事に対する熱意はあるけど空回りしているような、そんな印象。

    主人公は自分で自分のことを「ダメだ」と思っている。「もう何もできない」とも。
    こういう人は、多いんじゃないだろうか。「こんなはずじゃない」あるいは「なかった」と思っていて、ウジウジしている人。

    彼の物語ではあるのだが、ちょっと変化球が加わる。どうやら未来から来た彼の娘らしき女性が、ストーリーの終盤あたりでいきなり現れるのだ。
    最初は単なる言い訳かと思っていたが、どうやらホントらしい様子。しかも、彼の結婚によって世界を破滅から救うことができるらしいということ。それによって、娘は産まれてこなくなってしまうのだが。
    この設定を、娘の言うとおりに信じていいのかどうかは微妙なセンなのだが、それぐらいの微妙さがいいバランスにあると言える。
    ぐっとSFチックに舵を切らず、リアル風なそれまでの舞台を壊さない程度な感じがいいと思うのだ。

    全体的に下ネタ満載で、それは設定がそうだから仕方ないのだが、と言っても、それほどそれはキツくない。
    まあ、隣に女性が座っていたら大笑いするのをやや控える程度か。

    その感じもなかなかいいアクセントになりつつ、ラストに向かうのだが、そのドタバタ感もいいのだ。
    ただし、一緒になってイケナイはずの主人公とリナが同じ会社で働いている、という波乱をまだちょっと含んでいるのだが、それをもう少し匂わすほうがよかったように思える。
    つまり、最後の写真撮影で主人公を舞台に呼び込むのだが、リナを呼び込んだほうが、と思ったのだ。

    どちらかと言うと、問題を抱えた主人公を周囲が受け入れるという、ややお決まりな収まりのいい感じになったのは、心地良いのだが、ラストにもう一捻り欲しかったというところだ。
    なんか逆ギレ的な雰囲気で、マネージャーの男が悪者っぽくなっていたのは違う気もするし。

    役者はすべての人が、きちんとキャラが立っていて好感度高い。
    主人公・鈴木を演じたはやし大輔さんの、いつも伏し目がちで自信のなさと、ラストあたりの身勝手さが、ダメな感じを見事に表していたし、佐藤を演じたアダチヒロキさんの、いかにもいそうなノリがよい男は、身体のこなしと機転の効き方(ドアを閉めるときの)がなかなか見事だった。
    そして、編集長を演じていたしまさきまちこさんも、いるよなーこういう頑張っちゃう人って、という感じが良く出ていた。山田を演じた長島慎治さんの風貌と彼が言いそうな台詞をきちんと見せてくれていたと思う。
    主人公・鈴木が思いを寄せるマヒルを演じた花岡芙美子さんは、物語が進むにつれて不思議な魅力が見えてきた。鈴木が惚れているのがわかるような感じだ。鈴木とリナの娘だと言う古賀を演じた池田あいさんは、この中にあって、1人頑なな役であり、それをうまく保てていたと思う。
    さらに、AV嬢のリナを演じていた町田歩美さんは、ちょっと色っぽい雰囲気から、弱い姿、そして普通の人となるのを、短時間で見事に演じ分けていた。営業の山田を演じていた加藤を演じた島影昌彦さんの元気が取り柄のような雰囲気もいい。
    リナのマネージャー・山本を演じた青山雅士さんの、人を見下したような、ちょっとしたヤな感じはなかなかいい。
    そして、忘れてならないのが、マンガ家・マシュマロを演じていた中峰健太さんは、もう、面白い、タイミングや雰囲気すべてが面白いのだ。彼の出番が一番笑ったのではないだろうか。
    そうそう、あと絶対に忘れられないのが、山田の奥さん・くるみさんを演じた方だ。存在自体が面白いとしか言いようがない(それは演出のうまさだと思う)。なぜかキャストに名前がないようなのだが。

    ちなみに、たまたま中小&弱小エロ本出版社に数多くの知人、友人がいたことがあるので、その実情(周囲からだけど)を見たことがあるのだが、もっとダメダメな人が多くいた。
    それは、社会人としてダメな人たちばかりだった。高校野球の頃には、すべての試合が終わるまで出社してこない人とか(もちろん録画してるのに)、麻雀のメンツを集めるだけでのために出社している人とか、取材費を使い込みすぎた人とか…、そんな感じだった。
    でも、何かに関しては、強い思い込みと、執念がある人ばかりでもあった。エロとかマンガとか、ね。
    そういう雰囲気があれば、なお良かったかも。
    …って言っても、そういう雰囲気がウケる層は限られてはいるけど。

    とにかく、お気に入りの劇団がまたひとつ増えたような気がする。

    3

    2011/03/03 07:04

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  • 御来場まことにありがとうございます!
    しかもキャラクタ―1つ1つ丁寧にコメントして下さって
    とても嬉しく感動しながら読ませていただきました。

    72時間も是非!
    僕らの人生で、「あん時は大変だったね」と必ず思える公演であること
    確実です。是非!

    2011/03/04 10:41

    東京バンビ3号さん

    コメントありがとうございます。

    面白かったです。是非次も観たいと思いましたよ。
    …とは言え、72時間ぶっ通しのヤツは…笑。

    2011/03/04 07:59

    早々にコメントありがとうございます。
    非常に細かい所まで観て頂き、嬉しい限りです。
    今後とも東京バンビを宜しくお願いします!

    またのご来場心よりおまちしております。

    2011/03/03 11:37

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