フランケンシュタインの婚活 公演情報 劇団阿佐ヶ谷南南京小僧「フランケンシュタインの婚活」の観てきた!クチコミとコメント

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    残念というより悲しい気持ち。
    こういう言い方は適切ではないかもしれないが、前回初めて観た、阿佐ヶ谷南南京小僧には、楽しいB級感のようなものを感じていた。もちろん、B級というのは悪い意味ではない。
    チープだけどなんとなく楽しい雰囲気があるというところで。あ、チープもそれほど悪い意味ではない。
    しかし、今回は残念なのだ。

    ネタバレBOX

    『フランケンシュタインの婚活』は、そのタイトルからアメリカ映画『フランケンシュタインの花嫁』を彷彿とさせる。
    『フランケンシュタインの花嫁』は、博士がフランケンシュタインに花嫁の人造人間を作るという話だったが、こちらの『フランケンシュタインの婚活』は逆に博士の花嫁を見つけるという話だ。

    舞台がスタートしたときに、なるほど本歌取り的な、そういうストーリーかとわくわくしたのだが、そのわくわく感は徐々に冷えてきてしまった。
    その理由は、端的に言ってしまえば、演出の問題だろう。
    やけにごちゃごちゃしすぎて、さらにどの出演者も変なテンションの上げ方なのだ。役者をバタバタさせすぎではないか。ポイントがぼけるというだけでなく、役者の良さが見えてこない。
    ごちゃごちゃしたストーリーでも、きちんと交通整理さえしてあれば、そのごちゃごちゃ感が楽しめるということも多い。
    しかし、今回は単にごちゃごちゃしているだけで、面白みにまで達してこない。

    テンションの上げ方も、耳障りだったりする。悲鳴の上げ方ひとつにしても、もっと考えたほうがいいのではないだろうか。

    ストーリーについては、あまり言いたくないが、ラスト近くになってからの、博士たちが死んでいくという展開は、ちっとも面白くない。
    死んでいくのも結構だが、そこに面白みをきちんと見せてほしい。
    バカバカしさでも、おふざけでもいいのだ。笑わせろ、というわけではなく、こんなふうにストーリーが展開してきたのだから、きちんとその落とし前をつけてほしいと思うのだ。

    そして、ラストにたこ揚げするという、意味ありげな終わり方も、それがおふざけならば、面白いと思うのだが、どうやら本気のようであり、こんなふうに終えるのはいかかでしょうか、と見せられたようで、あまり愉快ではない。
    それまでの話とのバランスが悪い。
    冒頭にたこ揚げについて、博士の台詞がひとしきりあるのだか、それが活きていないように感じる。博士のたこ揚げとラストの2人のたこ揚げとの関連性や、込められた感情などが感じ取れない。

    そんな中、役者の中では、メリルリン子さんだけが、1人気を吐いていたと思う。あの雰囲気の中でよく自分を出していたと思うのだ。でも、もっと見せ場が作れたのではないかと思うと、やっぱり残念。それと、伊藤昌子さん出てなかったのも残念。

    と、いろいろ書いてきたけれど、次回は『グラマー天狗』というタイトルで、居酒屋が舞台らしい。
    もう、ホントにタイトルだけは(失礼!)面白そうなのだ。また、見てしまいそうな気がするのだよ(笑)。

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    2011/03/01 06:24

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