公演情報
ハイワイヤ「GOOD NEIGHBORS」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
再開したOFFOFFシアターを訪問。久々に覗いた舞台上は特徴的なステージの原形を覆い隠す具象のひしめきで、もしや閉鎖中に劇場を改装?と想像した程。集合住宅っぽい住居の近隣関係を想像させる一角が、抽象舞台のように多場面に機能する(実際は戸建の住人同士らしい)。主人公(高畑)の自宅では病気療養中の妻(鄭)がおり、他の人物らが遭遇するゴミ捨て場や近所のどこかにも(自宅以外は)転換無く移行している。他の人物即ち、主人公が今会長を務める町会役員の主婦(菅野)や、今転居して来ている後輩の学生(大河)、主人公の隣家に住む(騒音問題を引き起こしている)問題の女性(茂木)とその家屋の二階に家主不在を良い事に勝手に住んでいる(と主人公には説明する)鈴木や佐藤や高橋(佛淵、同じ衣裳で)、彼らが順次現われて、町内という狭い世間での「世論」を主人公及び観客が知る手掛かりとなる。彼らは主人公に現実感覚をもたらす頼れる「個人」でもあり、同時に「不特定多数」の一部でもある。浮薄なまでに移りゆく「世論」事実認定を、告発する視点が根底に横たわる。本作ではサスペンスの要素が「事実認定」における揺らぎを物語にもたらすが、世論への問いから作者は不遇を飲み込んでの生き方を探る地点を(妻とのやり取りの中に)描く。鄭亜美の出演も「観たい」理由の一つだったが、彼女が重宝がられるシュールや際どい役柄とは異なる人物造形を興味深く眺めた。苛立たしい現実のトーンが一貫しているのだが、舞踊的な動作がパターンとして加わっていたりがどこか作り手の感情と深く結びついた身体感覚から滲み出て来たものにも見える。その言い尽くせない何かを観客は汲み取る以外ないが、時に詩の領域に至る語りに、つい耳を傾けている。