はねやすめ第2回公演『cocktail』 公演情報 はねやすめ「はねやすめ第2回公演『cocktail』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    初見の劇団 といっても第2回公演だから当然か。内容は 人間の承認欲求のような感情を 或る動物を通して描き出した物語。2幕 年代は異なる連作もの。公演の魅力は観劇歴が浅い人でも分かり易く、それでいて滋味溢れる内容にグッとくるところ。大人になると自分の気持を曝け出すことが恥ずかしくもあり怖い。素直になれない苛立ちに向き合うような物語。

    2幕だが、休憩を挟まず手早く場面転換する。暗転してから始まる というスタイルではなく、定刻になったら明転したまま酔っぱらった女性が下手から登場する。さぁ始まりますよ といった構えさせるような出だしではないところが 実に自然体だ。
    (上演時間1時間15分)

    ネタバレBOX

    1幕目は、2幕目にスナックのカウンターになる台や腰高スツール、上手/下手に散乱しているゴミ袋に網が掛けられている。また所々に工事現場で見かけるカラーコーン。後景は「ポイ捨て禁止」「あまい誘惑に負けない」といった看板。ここは深夜の新宿歌舞伎町の路地裏にあるゴミ捨て場といったところ。

    終電はなく 缶ビールを何本も飲み干し 酩酊状態の女がゴミ袋に寄りかかって寝ている。そこへ黒ずくめの人、後々 分かるがカラスの擬人化。カラスは女の胸にある光物(ブローチ)が欲しく近づいたが、女が起きたため愚痴を聞くはめになる。女は自分が思っているほど母は自分に関心を示さず、会社での人間関係にも不満と嫌気がさしている。自分の感情を押し 殺し相手の顔色を見て迎合することに耐えられない。本音と建前の使い分けに疲れている。カラス曰く困ったら大声で泣(鳴)けばいい。野生のカラスは一羽では生きていけない、本音で向き合わないと。

    2幕目はゴミ袋等に掛けられていた網を取り除き、後景は先の看板を裏返し「スナック 野生」の看板やメニューに変わる。1幕目のカラス、そしてスナックママ、そこへ若い女性が入って来る。初めからボッタクリのような説明--1杯5万円、サービス料400%--しかし身の上話--自分の悩みなどを打ち明ければ90%OFFという奇妙な設定。女は自暴自棄で 金はあるから好きなように飲むと頑な。そんな女を見守るママ、それは遠い若かりし頃の自分をみているようだ。愚痴、弱音は吐かないと言っていた女はポツリポツリと語り始める。1幕 泥酔女=2幕 スナックママという時代間隔ある連作で、あるがままの自分とは、その内省する姿をカラスとの会話を通して描いた心情劇。素直で丁寧な劇作といった印象だ。

    野生のカラスは本音で鳴かないと生きられない、一方 人間は本音と建前を上手く使い分けないと世渡り上手とは言えないかも。そこに人間社会の苦悩と妙味があるのかも知れない。明け方近くの星々、夜が白白明といった抒情的な光景が目に浮かぶような台詞。深夜ということもあり1幕目は少し昏く、2幕目は店内の明るさ、その情景変化を表す照明の諧調。音響は カラスの鳴き声や車の騒音といった都会らしさ。その雰囲気作りが良かった。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2026/08/22 14:37

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