祖国へ 公演情報 昭和芸能舎「祖国へ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    フライヤーの説明から察するに
    消防団のお話かな?と思いきや大工一家で繰り広げられる人情劇だった。エンタメ溢れる舞台で物語の中にパロディあり、笑いあり、涙ありでワタクシは好みだった。元々、この劇団はコメディを軸にホロっとさせるストーリーが得意中の得意だから、その描写が観客に合えば楽しい舞台なのだ。照明、選曲共々素晴らしい。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    舞台は東京下町の消防団が赤ふんどし一丁で、「辛抱、我慢、辛抱、我慢・・」と合唱しながらぐるぐる円を描いて回り、中央に置かれたビールケースを運の悪い輩が持ち上げるというパロディから始る。椅とりゲームみたいなものだ。この時に使われる導入音楽が観客の気持ちをハイにさせ、観客を暖める手法は漫才の前座のようだ。笑

    その下町の大工一家では職人の高ちゃんが結婚をすることになった。高ちゃんは朝鮮人で苛めや差別にあいながらも、ここの棟梁に拾われて大工として立派に一人前になったという筋書きだ。しかし結婚相手の凪子には人に言えない秘密があった。それは元風俗嬢という過去だったが高ちゃんは凪子がトルコ嬢だったことを知った上で彼女と結婚するという。凪子の過去を告白するシーンでは感極まって涙ぐむ。かけがえのない家族の為に自分の身を犠牲にした凪子だった。

    一方で大工一家の長女・松子の成長の秘密と結婚、次郎の恋の相手が朝鮮人だったことなどを絡め人種差別と人情を描いた昭和の物語だった。昔気質で面倒見の良い棟梁がちゃぶ台をひっくり返すシーンは「勘太郎一家」そのもので情景もまんま。笑
    劇中繰り広げられるコネタも好みだった。

    劇中、披露させる民族の踊りや歌、そして鹿島由香が魅せるバトンが美しい。終盤も消防団員達がパロデる、「辛抱、我慢、辛抱、我慢・・」と合唱しながらぐるぐる回ってハシゴ技を披露する場面は序盤に撒いた伏線の回収もきっちり。

    満足した人情コメディ!

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    2011/02/26 12:50

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