誰々 公演情報 劇団5454「誰々」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    劇団 5454 初観劇でした。
    「役割」をテーマとして、とある家族を主役に、少し怖さのある不思議な雰囲気のSFでした。

    感想を自分の言葉で表現するのがとても難しい。
    自分の言葉で表現しようとすると、この「役割」に関する自分自身の体験や感情を、そのまましゃべるはめになりそうで。
    観終わってすぐは、ただ不思議な余韻のある作品で、怖さを感じるところも含めておもしろかったな、と思っただけだったのだけど。
    感想をまとめようと考えれば考えるほどいろいろなものがわいてきて、時間が経つほどにまとまらなくなっていって。
    結果、なんだか不安な気持ちが今手元にあって、大変もてあましています。

    姉によって「役割」を着せられていた弟に、いつかの自分が重なるところがあり。
    けど、同時に、自分も姉のように誰かに「役割」を着せてしまっているという現実に、いたたまれなくなったり。

    登場人物がみんなそれぞれ、どこかにいそう、身近にいそうな親近感のあるキャラクターなせいか、彼らのその後が気になってそわそわしてしまう。

    劇中、彼女が語る「線と点」の話がとても印象的。
    思い返して、演劇って点だなぁと思うし、この作品は、演劇でやってこそ、演劇ならではの作品なのだな、と感じました。
    自分は「観客」という役割を着て、決められた席に座り、それぞれの役を着た「役者」たちが動き、語るのを観ている。
    「家」「会社」「公園」という役割のセットを、何の疑問を持つこともなく認めて……。
    うーん、やっぱり考えれば考えるほどドツボにはまってしまいそうでちょっと怖い。

    物語が進んでいくたびに組み上げられていくセットが、とても斬新に感じました。
    特に、弟の一人暮らしの部屋がよかったなあ。
    ビニールテープに囲われた中にしゃがむと、弟の顔が見えなくなる。
    今、囲いの中でしゃべっているのは、ついさっきまで自分が見ていた弟なのか。
    それとも、もしかしたら別人にすり替わっているのか。
    そういう想像をさせる意図があったのだったらおもしろいな。

    ネタバレBOX

    最後の父と姉のやり取り。
    お互いがいることを認識して、そしてそこにあり続ける。
    「役割」を脱いで消失しても、お互いのことを認め合っている。
    観終わってから、台本を読んで、最後のシーンを思い返してみて、それは平穏で平和的な理想のようでもあり、空々しく冷たい幻想のようにも感じられたり。
    どっちの意味があったのだろうなぁ。
    個人的には、消失肯定派ですが。
    消失も、本人にとっては前向きな変化なんじゃないかな、と。
    この感想が、全部的外れということもあり得る。
    本当に、不思議で不穏で、奇妙な味がずっと残り続けるような作品でした。

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    2026/08/09 22:45

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