it’s too late. 公演情報 終のすみか「it’s too late.」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「盛り場の屈託」


     商店街を進み見逃してしまいそうなちいさい入口から階段を上る。屋上へ至った先に設けられた奥の扉を開けると、幕前ではなかなか聞くことのないEDMが嫌でも耳に残る。ここは各駅停車しか停まらない深夜のクラブハウスというのが本作の設定である。

    ネタバレBOX


     休憩スペースで仕事終わりのフジタ(宮地洸成)がタバコを吸いながらスマホをいじっていると、DJフロアから顔見知りのカワサキ(片平友里絵)が、恋敵に頭から酒をかけられたとボヤきながら入ってくる。同棲を解消したばかりというカワサキに「お前の元カノがDJやってるから気まずいだろう」と茶々を入れてくるソエジマ(日和下駄)がそこに加わる。以降この3人が出たり入ったりしながらよもやま話に興じるのだが、盛り場で顔見知りであるだけの関係性ゆえ容易に距離は縮まず、仕事や色恋など当たり障りのない話題がグダグダと続いていく。そこに、今日初めてクラブに来たというミヤノ(高橋あずさ)が姿を現すと空気が一変する。芝居の脚本を書く調査目的で来ているというミヤノは明らかにこの場から浮いており、生きづらさや戦争について真摯に質すも気まずい空気が流れるだけである。

     EDMが流れるなかひたすら酒とタバコ、ときにドラッグで延々続くよもやま話から、盛り場に行かざるを得ない屈託がふんわり浮かび上がる。台詞と俳優の間のとり方が絶妙であった。上演会場は屋上に設けられたカフェであり、この空間設定と音響が作品に貢献していた。ミヤノが加わってからの展開が短いため物足りず、ぜひ完成版を観てみたいと思った。

    0

    2026/07/31 09:24

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大