FLASH 公演情報 オフィスエルアール「FLASH」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    記憶にまつわる物語
    まったく毛色の異なる2つの物語を堪能した。
    一話目は本当に解りやすい描写で万人向けの芝居。二話目はパフォーマンスの強い斬新な描写。この二話目が終わった後、帰りのエレベーター内で「谷津さん、難しいのを作ったね、解んなかったわ」と口々に話していたところをみるとやはり難しかったのかもしれない。
    それでもこの全く違う二話は終わり方で温かな甘水で満たされることに変わりはない。
    良いストーリーなのだ。
    当日パンフにはキャストの紹介はあっても役柄が載ってなかった。惜しい。役も載せて欲しかった。

    ネタバレBOX

    『赤よりも碧く、なほ、かがやく黄色』

    1986年夏、S県の小さな田舎町で起きた「田辺翠ちゃん失踪事件」傍目には凶悪事件だが実はこの事件には正当な理由があったのだった。
    翠ちゃんは父親から受けていたDVによって全身が痣だらけだった。これを見かねた担任の教師は翠ちゃんを匿うために正義の誘拐を決行する。これを知っていたのは当時の小学4年の同級生、井坂と上山だった。先生は二人と翠に、この秘密は4人だけのものだ。絶対に口外してはいけない。」と硬い約束をする。

    それから25年後、精神科を訪れた井坂の奇妙な恐怖症の原因を探っていくと、それがあの事件に関わっていることが判明する。事件の真相と、井坂自身が先生との約束を破ってしまった罪の意識がトラウマとなって彼を精神的に追いつめていたのだった。

    終盤、翠が上山に吐く言葉「あなたがいてくれたから私の人生は壊れずにすみました。ありがとう。」は物語をぎゅっと引き締め崇高なものにした。淡い恋心も美しい。



    『晩鐘』

    ある女性が結婚、出産、家族、離婚の危機を乗り越え晩鐘までの人生を描写した物語。

    新婚旅行で空港に行った夫婦は老夫婦に出会う。この老夫婦の会話がなんとも穏やかで生きて来た人生の深みを感じる。老夫婦はお互いに、相手がパスポートを持ってきていると思い込んでいたため、二人はパスポートを持って来ていない。まるで公園のベンチにでも座って夕焼けを眺めているようなシーンだ。映画のワンシーンのよう。

    一方で新婚夫婦は空港から飛び立ち、そして彼女らの人生の
    軌跡を断片的に追っていく。その人生は子供達との関係で忙しく賑やかに、姑との関係でブチ切れ、夫との関係でたそがれる場面を絶妙に描写しながら、やがて、離婚の危機も訪れる。しかし、どうやらこの危機は思いとどまったらしく、こうして二人は空港で、あの時の老夫婦のようにパスポートを忘れて黄昏るのである。

    ああ、人生とはなんと素敵なんだろう。と思わせるシーンだ。

    真城千都世さんの髪型が凄く良かった。どうやって作るのだろうとじーっと見つめていたら頭のてっぺんにトイレットペーパーの芯のような形の筒が埋め込まれてあり、どうやら筒状に髪を巻いているようだった。後でマネしようと思う。



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    2011/02/16 18:09

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