満足度★★
不完全燃焼?
記憶をテーマに、全くタイプの異なる2作品を上演したのですが、残念ながらどちらも中途半端に感じました。
『赤よりも碧く、なほ、かがやく黄色』
LED式の青信号を見ると苦しくなる症状を患った男のトラウマが明らかになる物語でした。
分かりやすい展開でしたが、台詞回しや台詞の間が上手く行ってなくて、上滑りしている印象を受けました。コミカルな場面や子供時代の場面が役者の色々な演技を見せるために無理に入れているように感じられて、楽しめませんでした。
全体的に演技がオーバーだったので、繊細な部分も観たかったです。
『晩鐘』
ある夫婦の半生を様々な演出手法を用いて描いた作品でした。
文節を壊した台詞、役の入れ替わり、時間軸を行き来する構成、マイム的身体表現など色々盛り込んでいて凝った作りでしたが、手法を通じて表現したいものが見えて来ず、「手法のための手法」になってしまっているように感じました。
生まれ来る子供や晩年を描いたシーンが印象に残りました。スピード感や、ある程度観客を突き放すような思いきりの良さがもっと出てくれば良くなると思いました。