38.5℃の裸眼 公演情報 ハイバネカナタ「38.5℃の裸眼」の観てきた!クチコミとコメント

  • 結局は何の話だったのかって部分。
    一生懸命に観てると難しい内容に感じちゃうんだけど、俯瞰してみるとそうでもなかった。作風が今のバランスだから分かりにくいだけ。抽象と具象。視覚部分での演出効果と物語部分。どっちかに特化したほうがきっといいんだと思う。既存のものと比べられたら嬉しくないだろうけど、野田秀樹が同じ事やったら多分すげー面白い。野田さんにやってもらえばいいじゃんって意味じゃなく、これは扱い方次第でまだ全然面白くなる気がするのです。ただ、ごめんなさい今は面白くないです。
    熱量のある演技を客演陣に任せていた気がして、そこはちょっと引っ掛かりポイント。それに合う人々を呼べているとは思ったけれど、だったらそれを引き受けて回収するべくもっと上の事を劇団員二人がやるべきだったかと。

    ネタバレBOX

    眼鏡がもっとキーアイテムになるかと思ったら結構すんなりかけちゃったし、最後の寝るのとは直結してない。世界を見ないように眼鏡をかけないでいたっていうのは物語部分でどんなに推しても共感しにくいし、逆に観念的な台詞の応酬だったりもっとファンタジー食の強い内容なら「そういうものか」って思えた気が。
    個人的に絶対に要らないと思ったのが冒頭。なんて言えばいいんだあれは。スター登場みたいなあれです。掴みでやったにしては作り込んでなさ過ぎるし、始まってからの内容とも雰囲気が違いすぎる。損してると思います。あれをやるならまだ普通に暗転明けで街中のあのシーンからのほうがすんなり観られたんじゃないかな。正直あれが始まった瞬間に「あ、しまった。多分オレもう入り込めない」と悟ってしまいました。
    演目全体としては、やろうとしている事のそれぞれが繋がっていない印象。もっと癒着率を上げるか、なんなら余計なものをドンドン入れて隙間を埋め尽くしてもいいと思う。現段階では上演中に曖昧な時間が存在していました。文字が浮き出たり血が布とかああいうのをやり続けるのか、純粋に物語だけでいくのか。両方やろうとすると何処をポイントに観たらいいのか分からなくなる。演出としての服部さんと役者としての服部さんの違いも気になった。きっと演出としては前者の芸術観点のものを取り入れたいのだろうけど、役者としては結構プレーンなものをやっていた様に見えた。自分が演出だから役者としてはあまり濃くしない様にという意図があったかもしれないけど。先日のDART’Sにしてもプレーンな印象だったし。
    先にお断りしますが、悪口じゃないです。小島ゆきこさんの台詞の根付いていなさが終始気になって入り込めなかったのもあります。観たのは5ステ目だからうろ覚えだったとかじゃないはずなのに、芯から出ている言葉には感じられなかった。声質とか日常からの会話の癖とか色々な理由があるだろうけど、ものすごく勿体無い。あの状態じゃ場合によっては棒読みに聞こえてしまうし、何より感情の機微が捉えられない。同じ劇団員であり演出家である服部さんは彼女のその特性を今後どうして行くつもりなのか気になる。

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    2011/02/15 17:50

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