満足度★★★★★
ネット世代にもお薦め
この作品、書かれた当時の東欧の政治状況への痛烈な皮肉ともいえるが、閉塞した現代の文明社会を諷刺したともいえるし、より広く「道路は人生そのもの」という捉え方も出来よう。
観る人それぞれに訴えかけ、いろんな観かたができるのだなぁとHPに寄せられた感想や演出家・三由さんご自身の解説文などを読み、思った。
私にはこの不条理劇はネット社会とあまりにも符合する部分が多くて興味深く、暗喩のようで、観ていて背筋が寒くなった。そういう意味からもコリッチユーザーにはお薦めの一作。斬新な演出で見せてくれた三由さんには感謝します。
私が以前からお勧めしているブレヒトの芝居小屋のレトロな雰囲気を今回初めて堪能されたコリッチユーザーのかたもいらっしゃるようで嬉しく思います。都会の喧騒を離れ、時がゆったり流れているようなこの劇場の雰囲気がいつまでも保たれてほしいと願っています。
映像、衣装、舞台装置などにより、いままでのこの劇団の公演とはひと味違った仕上がりになっていて、ふだん新劇になじみがない小劇場ファンにも親しめるものとなっている。
長いステージの両側を客席が囲むかたちの舞台。舞台が道路そのものになっており、客席の背後も道路という設定で、俳優が通る。
メインステージをファッショナブルな衣装の俳優が歩くと、まるでファッションショー会場のような趣。今回のフォークロア調の衣装はアースカラーを基調にした色彩も美しく、秀逸だった。
かのんぷ♪の生演奏も、劇の邪魔にならずに美しくなじんでいた。
2011/02/22 14:53
2011/02/21 10:49
コメントありがとうございました。
ほかのみなさんのような立派な解釈ができず、はなはだ手前勝手の解釈になってしまい、申し訳ありません。でも、個人的には人生のよき勉強をさせていただいた気分で、三由さんにも劇団のみなさん、スタッフのかたがたにも大変感謝しております。ありがとうございました。
これからも、劇団の貴重な財産である名作古典と、このような斬新な演出による意欲作(70年代の作品ではありますが)とを並行して上演していただければ嬉しく思います。