一万円おじさん 公演情報 株式劇団マエカブ「一万円おじさん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    愛媛県松山市の田町商店街のなかにうまれた「絵本の劇場カメレオン」のこけら落とし公演。カラフルで目を惹くグッズや内装に心躍らせ、客席について、受け取った当日パンフレットを開いたら、工事開始前の劇場内のがらんとした白黒写真が大きく目に飛び込んできて、「これが、この姿になったのか」と、演劇を祝福するような気持ちになりました。いろんな方の手をかけて、地道に作られてきたところに座っているんだと、感謝でいっぱいです。

    ネタバレBOX

    劇場の経営は、想いだけでは続けられない大変なことだと思います。こけら落としとなる本作については、その「想い」と「経営・経済」を両立する思想の込められた題材として、渋沢栄一がモチーフとなっています。一般チケット2,500円のほかに「経営者チケット」10,000円の設定も作品や劇場の在り方に沿っていて良かったです。

    カナコ(宮本はるか)とハル(小川晴菜)というタイプは違うけれども自立心の強い女性ふたりと、「自分は渋沢栄一だ」と言い張る男(三嶋孝弥)。公園の片隅で、社会や働くことといった世の中のあり方を考える会話が続きます。一見、男性が若い女性に社会を説くマンスプレイニングのようなやりとりも、男がホームレスであるという設定と三嶋さんによるダメダメな人物造形で、3人が対等に人として意見を交わしているように感じられました。それにより語られている内容に意識がいき、バランスの練られた戯曲でした。
    3人のキャラクターがはっきり活き活きと演じられており好ましかったです。どうしても物理的な奥行きがないので、空間が平たく、目的のために俳優が出てくるように感じられるところもありましたが、3名の俳優が物理的に限られたなかでもバラエティをもたらしていました。
    できれば照明や音響などテクニカルスタッフの情報がどこかに掲載されていると嬉しいです。

    マエカブさんは演劇でさまざまな取り組みをされていて、秋に全国の劇団が集まるカブフェスはいちファンとして足を運び楽しんでいますが、またあらたな拠点が、人の行き交う商店街のなかに「まちを変えていく最初の灯り」としてうまれたこと、場をつくるという取り組み、たくさんの人の「好き」が集まることが眩しいです。私は「演劇は営みだ」と思っていますが、まさに日々の営みとともに立つ小劇場。今後はここでワークショップなどいろんな企画がおこなわれるそうで、心から応援しています。

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    2026/07/02 13:43

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