公演情報
空想実現集団TOY'sBOX「Days Of Grey Sunlight」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/06/28 (日) 17:00
CoRichに書かれたあらすじだけ読むと、アナタの街から隣の隣の隣ぐらいの隣街。
人間に飼われて育った犬・レトはある日、野良猫のシッシに導かれ捨てられた劇場へと迷い込む。
そこには個性豊かな動物たちが人間に見つからないよう肩を寄せ合って暮らしていた。
初めて知る"外の世界”。
自由、恐怖、そして仲間たち。
しかし街では"野良犬ゼロ作戦"が始まろうとしていた――という感じの内容だったので、児童文学の『ルドルフとイッパイアッテナ』シリーズに影響を受けつつ、害獣駆除や野良犬、野良猫の弊害、ペットショップという在り方自体、そしてそのペットショップで買った犬や猫、鳥をペットとして買うこと自体、そしてそのペットを引っ越しなどの際に一緒に連れていけなかったり、病気や飼い主の手に負えなくなって捨てる、躾けも含め、そういった構造自体が動物虐待に当たる。
動物を愛するのなら、そして責任持って最後まで人間側の諸事情により飼うことが出来ないなら、最初から飼わないこと。
動物は見て、愛でるだけに留めおくこと。
動物が自然に生活する為に、ペットショップや動物カフェを無くしていくこと。
どんな理由であれ、不用意に飼っていた動物を自然に放さないこと。
ペットとして飼っていた動物を例え良かれと思って放したとしても、外来種として自然の生態系を壊してしまう危険性が確実なので、絶対放してはいけない。
ペットを放さなければ、絶滅しなかったかも知れない、または絶滅しかけることはなかったかもしれない動物がが、絶滅、絶滅しかけてしまう結果を招く。
また、放した元ペットが害獣になってしまう可能性もある。
鳩等に餌をあげないと言ったような動物愛護団体による文言を電車内の広告や新聞の動物愛護に関する記事等で見かけるが、その動物愛護的な観点や動物虐待といった問題、ペットに対する躾けと言った問題をも、動物を主役にした群像劇のテーマに据えた、時に、馬鹿馬鹿しく、笑いもあり、友情もありつつ、社会派劇なのかと期待して観に行った。
実際に劇を観てみると、「安心して生きること」、「自由に生きること」といったテーマを、主人公の飼い犬レトと明らかに『映画 寅さん』シリーズの寅さんをモデルにしているようにしか思えない、あの街、この街と渡り歩く、人間で言うと30代中盤か、それ以降ぐらいの感じの自由をその言動、行動で体現する野良猫シッシ、その対照的な2匹の行動や他の野良動物たちとの関わりの中で描いていて、話が深刻になり過ぎず、バランスが取れていて、気軽に楽しみつつ、野良動物たちの置かれている状況にも考えを巡らせつつ、まるで犬等のペット目線で気付くと観ていて、没入感が凄かった。
但し、野良犬ゼロ作戦とか言うので、害獣駆除や野良犬、野良猫の殺処分の問題、やたらとペットを諸事情から捨てる問題、ペットを躾けるといったこと自体が動物虐待になる問題、そもそも、人間にとっては癒やしでも、ペットショップや動物カフェの存在自体が動物虐待に当たることこう言ったことに深く切り込むのかと思ったら、もう少し軽い作品で拍子抜けした。
劇中の野良犬が捨てられた新聞に載っていた野良犬ゼロ作戦の内容に怯え、他の野良動物たちとも情報共有し、震え上がるが、劇の最後の方で飼い犬レトの飼い主の女性が「、その記事に載っている野良犬ゼロ作戦は、野良犬を一旦保健所で保護して、里親が見つかったら、その里親に引き取ってもらって、大事に飼ってもらう。
最終的に殺処分と言うようなことは絶対ないから安心して」と言うような種明かしを言って、野良動物たちや飼い犬レトを安心させる場面があるが、大ドンデン返しで、それまでハラハラドキドキさせられていたのが、ホッとする終わり方ではあった。
だが、現実はそう甘くは、都合良くはないんじゃないかと思うと、何ともやるせなくなった。
これはあくまで劇な上、ファンタジーなことは分かっているが、ある程度の野良動物や野良犬、猫の置かれているシビアな現実も描いたほうが良いのでは、とも感じた。
劇中、幾度となく、クドいくらいの楽屋ネタや「これ、明らかに人選間違えてるよね」と言ったような台詞も何度となく出てきて、大いに笑えた。
またバレエ『白鳥の湖』の音楽にのって、『白鳥の湖』に出てくる白鳥の精の空気感で出てきたボーイッシュな麗人が実は雀だったり、明らかに白鳥と言うにはふざけすぎて、1980年代の東京のお笑いのネタのような格好と雰囲気の男の役者演じる白鳥と言うギャップがあり過ぎて、出てきただけで、ツボってしまった。
劇中、十兵衛と聞こえていたのが、最後の方で、忠兵衛?(チュウベエ)だったことが分かり、その鼠が、藤原竜也さん並の野性味と、ハードボイルドな空気感で、威圧感があり、観る者を圧倒し、緊迫感を漂わせ、どう見ても鼠というより、白狼といった感じなのに、鼠というギャップと、その鼠如きに、他の野良動物たちが時に恐れ、信頼し、リーダーと崇めている構図が分かったときに、そのあまりの馬鹿馬鹿しさと、他の野良動物たちが最後の最後まで本性に気付いていなくて崇めているのがおかし過ぎて、大いに笑えた。
雀のボーイッシュな感じの麗人が時々言う、格言が、本当に何を言っているのだろうと言うような、それっぽく言っているようで、あまり意味のない言葉の羅列を、無理クリそれっぽく言っていることも多く、その絶妙に残念なキャラが、昔モーニング娘にいた後藤真希さんが、モーニング娘が出るコント番組でキザな少年役を演じた際、ソレッポイことを言うのだが、実際は何を言っているのだろうと言うようなネタの笑いがあったが、そのネタとは違うがそっくりで、笑いが止まらなかった。
出てくる野良動物たちがクセ強でキャラが立ち過ぎて、それでいて、野良犬に関しては、村人A、Bならぬ、野良犬A、Bと言うような紹介のされ方の雑さ加減も笑えた。
天真爛漫で、マシンガントークで一方的に話し続けるが憎めないオウム、ゆっくり過ぎて周りが違う和田話題になったところで前の話題でツボって笑う亀等、実際の動物たちの習性を誇張して、大袈裟に描くことで、大いに笑えた。
しかし、狸とアライグマどれくらい似ていて、見た目で判断が付き辛いと言う風に劇中では描かれていたが、実際のところはどうなんだろうと考えてしまった。
私の地元では、時々野生の狸は見かけるものの、アライグマは、動物漫画や動物園以外で見たことないから、比べてみる機会に今のところ、お目にかかったことがないもので。
ただ、劇中、「鶏が先か卵が先か」じゃないけれども、そのようなどちらが原因か決められないことで狸とアライグマが常に喧嘩し、終わらないループにハマったかのように、1回仲直りしても、すぐ喧嘩し始めるというドタバタが面白かった。
主人公の飼い犬レトが隣のお節介で好奇心旺盛でどこか図々しいが、ちゃっかりしている雌犬に、赤いスカーフの経緯についての話をしつこくせがまれ、話をしだすところから、物語が展開するが、レトが話し出すと、決まって雌犬が茶々を入れ、観客に分かるように具体的に物語の舞台や主人の名前等を話し出し、話がなかなか進まないと言ったような漫才のような息のあったスッタモンダも面白く、飽きなかったかった。