公演情報
温泉ドラゴン「長生炭鉱――生きたかった」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
この題材をやると聞けば観るっきゃないか、と自分に言い訳しつつ劇場へ。
シライケイタ氏は事故後の坑内を舞台上に再現。そこからドラマが始まる。
現代の場面は歴史事実としての長生炭鉱(事故も含め)を発掘し、遺骨問題の解決を模索する人たち。両者が最後に出会う。
事故のことを詳しく知らない自分は、事故後に坑内で会話をしたり救出を待つことができたのかどうか、についてあまり疑問を持たなかった(海底炭鉱での事故ならアッという間に海水で穴は埋まったのでないか)。従って彼らが「死者である」予感も特に抱かず、日本人と朝鮮人のやり取りを興味深く見た。
しかし史実上彼らが助からない運命にあることは知れており、物語の展開的にワクドキは無い。韓国人俳優四名(炭鉱夫三名、潜水夫一名)のネイティブ韓国語と日本語が行き交い、中央上部に映される字幕は見やすかった。この字幕を追いながら物語を追うテンポは観劇としてちょうど良かったという事かな。
ドキュメントの要素を帯びる演劇は、とりわけそれが現在進行形のイシューである場合、観る者をある使命へと動かす圧を持ち得るが、それは事実のディテールの持つ説得力も手伝う。本作は坑内でのドラマの比重がどちらかといえば大きく、現代の発掘取り組みの部分は不足感を覚えるほどではなかったが、「事実」のインパクトという面ではもう少し描けたのでは・・と思わなくもない(欲張りな注文の類とは思うが)。
日韓関係そして国内の外国人差別、戦争そして植民地という「時代のせい」にできそうだがそれだけで終らせられないテーマが、交錯して熱を発するスポットでもある。だからこそ現代における日韓協力の側面を「事実」として描いたのが、本作の攻め処であったかも知れないが。