優しい劇団の大恋愛 Volume11『もっと愛してくれよ節』 公演情報 優しい劇団「優しい劇団の大恋愛 Volume11『もっと愛してくれよ節』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    名古屋を拠点に活動する優しい劇団による大恋愛シリーズ第11弾。普段は別の土地で活動する俳優が公演当日の朝に初めて顔を合わせ、稽古、そして本番と“1日限りの演劇”を上演する試みです。
    今回は「優しい劇団の浅草演劇祭」から1年を経て「優しい劇団の武蔵野演劇」と題し、一人芝居に大恋愛2本という怒涛のラインナップを3日間吉祥寺シアターで上演。本作『もっと愛してくれよ節』はその最終日に上演されました。

    ネタバレBOX

    まず、名古屋を拠点に据えつつも地域を横断してこの壮大な企画を立ち上げ、連日大盛況でやり遂げられた気概とエネルギーに拍手を送りたい思いです。

    前日に上演された『夕焼け色のダイダラボッチ』は同窓会を巡るお話で、過去を懐かしみながら今を生きる人々の姿が描かれていました。それに対して、『もっと愛してくれよ節』は初の時代劇。キャラクターの名前や役職、流れているムードこそ時代劇のそれなのですが、内容はむしろ未来的、未来への願い、平和への祈りが強く込められた作品であると感じました。
    優しい劇団の持ち味である、ペアによる愛の言葉の応酬、愛が積もり、愛が重なり、それによって世界は変わるのではないかという願い、未来をよくしたいという祈り…。

    チラシに描かれているように、本作は「花火」がモチーフとなっており、冒頭からキャスト陣が口々に「たまやー」と叫びます。それに対し、綺麗な星があるのに花火なんていらない!と言う者が現れ、いや、花火は消えてほしくない!という者が現れ、いつの世も人は自分の信じる愛や正義に向かって突き進むわけで…。そんな愛らしくも偏屈なキャラクターたちが、今この瞬間に舞い上がる花火の如く熱烈に生きる姿を、文字通り見上げていました。

    物語のラスト、時を越え、国を越え、星まで越えて、軌跡が一つの愛へと帰結していく。その音を、始まり同様に俳優らの生声に託していたこと。それらに私は平和への強い祈り、反戦への思いを感じ取りました。1日で出会い、別れる俳優への手紙でもある台本、その手紙に全力で応答する俳優たち。そして、それらによって紡がれた風景の集積が、やがて舞台と客席を越境して、人々を同じ場所へ、同じ歌へ、同じ空の下へと誘っていく。そんな時間や空間が1日で叶えられるということ。そのこともまた、演劇という営みにおける一つの希望であると私は思います。

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    2026/06/22 03:01

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