ベガスペガサス 公演情報 やみ・あがりシアター「ベガスペガサス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    書いて字の如くペガサスホールにラスベガスを召喚し、さらに劇中にペガサスも出すという抜かりのなさ。会場だけでなく、北とぴあの建物、もっと言えば東京都北区そのものも巻き込んでの劇作も没入感を手伝い、劇場、いや、会場を大いに盛り上げていました。

    ネタバレBOX

    タイトルに始まり、舞台セット、シークレットゲストに、マルチエンディングと、まさにギャンブルの如く観客の射幸心を煽りに煽るエンタメ力抜群のステージ。勝つか負けるか。当たりか外れか。回さなくては勝てるかわからない数字と観てみなくては当たるかわからない演劇。「ギャンブル」というテーマが演劇の内外を横断し、どこを切っても薄まることなく貫通しており、清々しい観劇でした。

    物語として興味深かったのが、カジノの客を盛り上げるためにうだつの上がらなかった劇団が利用され、イマーシブシアターとしてカジノ向けの劇作と芝居を依頼される、という設定。劇場の中に劇場、演劇の中に演劇という入れ子構造になっており、観客もまた一人の当事者として世界観にグッと引き込まれるような力強いストーリーでした。
    大所帯の群像劇ながら、ペアやコンビがきっちり整理され、全員の個性が等しく輝く配役とそれを余すことなく体現するキャスト陣には毎度ながら脱帽です。

    もう一つ特筆すべきは、音楽。一度聴いたらたちまち耳から離れない楽曲(小山優梨)に合わせて、自らもルーレットに扮しながら数字を回す俳優たち(=数字に振り回される登場人物たち)の姿が鮮烈で、音楽の力強さが支柱となって観劇の記憶を色濃く彩っていました。スタッフ賞が存在するならば、私は小山さんを推薦したい。そんな風に思いました。

    欲を言えば、もう少しドラマ部分が見たかった気もしました。中でも、カジノによって生活が一変してしまった夫婦の姿は物語の主軸でもあるのですが、シンパシーやエンパシーを抱くには展開が速く、ドラマへの没入には及ばなかった感触がありました。とはいえ、押し並べて俳優の表現力が高く、どのキャラもそれぞれスピンオフができそうな味わいがあるので、「もっと見たかった」という感触はそれはそれで正解のような気もしています。

    0

    2026/06/22 02:44

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大