The Freak 公演情報 劇団カルタ「The Freak」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2026/05/30 (土) 19:30

     取り壊しを控えた古い借家。そこに住むリョウタのもとへ、ある夜、スズコとその恋人のユウゴがやってくる。リョウタが二人を呼んだ理由は、この部屋に現れる幽霊ノゾミを見てもらうためだった。
     実は、10年前の大学時代にもスズコとリョウタと仲間たちは、幽霊ノゾミを成仏させようと奮闘したが、結局その後もリョウタのいる借家に居続け、成仏は失敗に終わって現在に至るというようなところから、リョウタの借家をメイン舞台に、幽霊ノゾミを巡って、ひたすら議論し、時に反発し合いながら、解決策を探りつつ、最後はどこか切なさが残る劇だった。
     今まで観た幽霊が出てくる映画や劇ではなかなか考えられない、ホラーでもなく、人情喜劇、ファミリーコメディとも言い切れない、なんとも形容し難い劇作品で、新鮮だった。
     笑いもところどころありつつ、幽霊ノゾミが全然恐怖を感じさせない、人間より人間臭いのも相まって、群像青春劇と言った感じが強く、借家を舞台にしている辺り、1960~70年代の安下宿でありそうな仲間たちとの結び付きが非常に強く、泥臭くてウルサイけれど憎めないような関係な感じの登場人物たちだが、借家内部の舞台セットはどこかお洒落で、どう考えても映画やドラマに出てくるようなシェアハウスの内装そっくりで、その感じからむしろ最近流行りの『タテドラ』のような感じもない混ぜになっていて面白かった。

     リョウタと幽霊ノゾミが10年も一緒に暮らし、リョウタの悩みも聞いてあげたりする関係なのに、幽霊ノゾミのズボラで何処かふざける性格で、全然呪縛霊感はないが、何処かウザさが言動に表れがちなのもあってか、リョウタの性格が正反対なのもあってか分からないが、お互い自分の気持ちに素直になれていないということが、スズコの発言などによって浮き彫りになっていくのが興味深かった。

     劇の途中まで、スズコが幽霊ノゾミに対して素直になれないような素振りを見せたり、急に怒り出したりして、どこか思わせぶりな態度に出るものだから、てっきりこれはGL(Girls Love)展開かと勝手にドキドキしたものだが、そういう意味では無かったと途中から分かり、少し残念だった。幽霊ノゾミが日常の会話に溶け込むように入っている劇で、どこか切ない劇というだけでも良いが、そこにGL要素をさり気なく折り込み、3角関係要素も盛り込むと、話がもっと膨らんでいく可能性があるのではないかと感じた。

     今回入った劇場の席数が小劇場の中でもかなり少なく、劇場自体も狭いところで、演劇を観ていると言うより、良い意味で、稽古場公演を観ている感じがして、すぐ側で隣の家の様子を息を殺して覗き見ているような感覚で、作品世界に入り込みやすかった。

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    2026/06/03 17:31

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