公演情報
トム・プロジェクト「チョークで描く夢」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
数年前観たTRASHでの初演がとても良く、チラシと出演俳優にもぐいと引っ張られて中々久しぶりのトムプロジェクト観劇に及んだ。新劇団の客層以上に高齢化の様子(何故だろう..)だったがそれはともかく、中津留作品の独特な台詞運びに思わず笑いつつも(勿論笑う場面ではない)障害を持つ二人を巡る清新さのある舞台であった。初演ではTRASH一流の現代→近未来の2部構成だった(とは忘れていた)のを現代のみの一幕構成とした。荻野貴継氏には初見(確かPカンパニー)より注目のキレる俳優で久々に演じる姿を見たが、障害児(脳性麻痺)役を好演し改めて感じ入る。チョーク工場の社長はえらくふんわりと人の良さの出た二代目らしいイケメン御坊ちゃまキャラで「誰かな」と思ったら、チラシを見てオッと思って忘れていた宮原奨伍氏(途中結構台詞危うい場面も大らかな佇まいで乗り切る)。滝沢花野女史は実は背高の大柄女子であったが今で言う大人の発達障害系のコミュ障な不器用職員。ベテランで口は悪いが裏表はっきりで情もある職人に中嶋ベン。実直真面目で実は弟が障害を持ちつらい少年時代を送ったゆえに今回の事にはビビッドだがいつもながら(TRASHでは)頼りになる中堅社員役星野卓誠。
時は昭和、戦後の経済成長期あたりが舞台らしく、障害児は特殊学校を卒業すれば自宅か施設に入り、どこかへ通う等という福祉的就労もなく増してや一般就労など夢、非現実であった時代に先駆的に障害者を雇用した企業が物語の下敷きとなっている。
障害者(特に知的)を演劇で実際に登場人物ときて描く難しさは、障害者個人の造形(演技)にあり、個人的にそこで溜飲を下げ納得した記憶は燐光群「ブーツ・オン・ジ・アンダーグラウンド」があった。他にも幾つか記憶があるが、それに次いで物語共々グッと拳を握ったのが今作と言える。(もっともまず言わないだろう台詞を言わせたりはあるのだが、これをギリギリ正当化して舞台上のリアルを持続させた荻野氏に⭐︎である。
もう一人の女性障害児役は若手の美利、これは軽度知的でのんびりな言葉遣いとキャラで成立。