川ひとつ向こうの、はるか遠い街。 公演情報 乙戯社「川ひとつ向こうの、はるか遠い街。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     開演前には中国風の音楽がずっと流れ板手前には段ボール箱を積み重ねた正面にタイトルが一行ずつ映写されている。尺は70分。観るべし華5つ☆

    ネタバレBOX

     明転すると舞台全体が見えるが舞台美術は極めてシンプルで奥が嵩上げされて観易くなっている以外、ホリゾントに様々な映像が浮かび上がる他は余計なものが一切ない極めて合理的でシンプルな舞台である。奥の嵩上げされている部分が所謂スラムと一般に表現されるエリアであるが深さ150㎝程しかない日用廃棄品や犬猫の遺体及び人間の遺体が廃棄され異臭を放つどぶ川の手前には裕福な街が広がっており、手前の住民にとって奥の塵溜のような町もその住民も在って無きが如しの存在であり、そうみられている町の住人の意識にも、こんな小さな腐臭を放つ川に越えることのできない絶望の象徴を観る日々への強制が昨日も今日も当然明日以降の総ての日々も予め決定されその生命体の避け難い滓の様に堆積させられている。だから生まれてから物心つく迄は、キラキラしていた幼児たちの目はその後どんより曇り生涯再び光を放ってキラキラすることが無い。それが住民の実態であった。
     然し、無論こんな逆境にあっても脱出したい。そう切に願う者が例外的に存在する。今作はこの脱出に自らの総てを賭けた幼馴染の生き様を描く。背景にあるのは、この川向うに住む住人達の日常的な生活である麻薬、酒、売春、娼婦から稼ぎを撥ねるヤクザ者らの陰惨な生活である。冒頭に書いたどぶ川に捨てられた遺体は、このような状況下で殺された人間であることが容易に想像でき、このような町で警察権力が機能するハズも無いことも自明である。ここにこのような奇蹟が起きた唯一の解があったことも。
     余談ではあるが、現在世界中で進行するグローバリゼーション(globalization)は極端な貧富の差を拡大し続けている。一例を挙げればつい最近公表された世界初のトリリオネア候補は断トツでテスラやスペースX等でのして来た人物である。他の企業有名人ではLVMHのトップ、アマゾンのトップ等で殊にアマゾンのトップはその傲岸不遜と露骨な収奪を恬として恥じない態度で知られるが、流石にトリリオネア世界初を予見される人物は扱う物が違う、世界中の環境を懸念する人々が目指すCO2削減を目指すEV,また人々の夢見やすい宇宙開発や衛星通信網を提供する株式会社を立ち上げ拡張してきた。無論、資本主義をベースであるから収奪の構造は変わらない。ところで、この資本主義の根本的原理である収奪を基にして蓄財した莫大な資産を彼らは何に用いようと考えているのか? それを我々庶民も考えるべき時期を迎えているであろう。1つだけ誰でも簡単に思いつく予想事例を挙げておこう。近未来に現実化する地球環境悪化に対し何とか生き延びる為の手段として、ということであると。飛躍しているとみる向きが多いかもしれないが、今の内に考えておいた方が良かろう。

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    2026/05/09 20:01

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  • ご感想ありがとうございます!
    少しでも心に残る舞台作品をお届けできたこと、とても嬉しく思います。ご観劇本当にありがとうございました!

    2026/05/11 15:22

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