絡繰ル糸、焔ノ影(カラクルイト、ホムラノカゲ) 公演情報 箱庭コラァル「絡繰ル糸、焔ノ影(カラクルイト、ホムラノカゲ)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    どこかアングラの匂いがする独特の世界
    バイオリンとピアノなどによる生演奏と一人芝居。

    真冬のシンとした会場に響くバイオリンとピアノの演奏が心地良く、物語が淡々と紡がれていく。

    ネタバレBOX

    淫靡なイメージの赤い着物をまとい、バイオリン弾きの少女の出会いが語られる。物語とそれを演じる雰囲気は、どこかアングラの匂いがするのだが、会場は住宅地にある大きなお宅の一室。
    その光景は、一見不釣り合いなのだが、お宅の一室という秘密めいた雰囲気は、逆にアングラ色を強めているのかもしれない。
    夜の住宅の一室に、人々がひっそりとやって来て、赤い着物の少女が一心にバイオリンを弾く様子を、固唾をのんでじっと見つめているなんて、なんだかアングラっぽいではないか。

    個人的には、もっと「芝居的」な要素が強いほうがよかったのではないかと思う。また、赤い着物は淫靡な雰囲気を醸し出しているのだが、もっと「陰り」や「エロス」のようなものが滲み出てくると、さらに物語に深みが増したのではないだろうか。どこか健康的な感じなのだ。
    たぶんそれは、バイオリンを演奏するということがあるので、その演奏をきちんと聴かせるということのほうを、優先したためではないだろうか。演奏と演技の切り分けは、この舞台の場合は難しいので(設定がバイオリン弾きの少女なので)、その塩梅も難しいと思うのだか。

    人形が奏でるカノンは、まさに人形のような演奏であり、その細かさがいいと思った。
    映像の効果もなかなかなものであった。

    ありそうでない公演であり、演奏と芝居のバランスや、他の役者との絡みなど、いろいろ試していくなど、もっと豊かな表現が現れてくるように思える。

    とても面白い試みであり、今後への期待を含めた星の数にした。

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    2011/01/24 07:36

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