パズル2026 公演情報 A.R.P「パズル2026」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     完成度の高さが抜群! 脚本、演出、演技、キャスティング、舞台美術、照明、音響、下手のデベソ舞台の使い方など実に上手い。

    ネタバレBOX

     脚本は極めて論理的に纏められており、観客は観劇中に提出されるパズルの断片を如何に組み立てててゆくかを脚本家との競争を楽しみながら観劇できるから飽きてしまう時間は全くない。而も物語が進めば進む程パズルピースは増え、ピースが1つ増える度組み合わせは格段に増えてゆく訳だから、観劇し乍ら総てを解くことのできた頭脳を持つ者はかなり知的能力が高いと言えるだろう。何れにせよ、このような形でも娯しめる作品である。
     最終盤に突入すると様々なピースに鏤められていた伏線が一気に収斂する訳で様々な引っかけ、両用に解することのできる伏線、曖昧化されたそれ等が一挙に押し寄せてくると同時に笑いの要素迄まぶしてあるから判断を正確に行う為の冷静さを観客は失う。こんな観劇情況の中に現れるキーマンとなる役者が板に着くタイミングも見事だ。描き方によっては相当シリアスな作品になり得た今作を上質なエンタメの枠内に留めおく喜劇的手腕の見事なこと。役者陣の演技、キャスティングの妙と各々に特異な性格、傾向を持たせて場面場面でクスリと笑わせる上手さ、舞台美術の完成度の高さ、謎解きに必要最小限の情報をホリゾントに飾られた灰白色の絵画に映写して知らせる点もグー。丁寧に作られた作品である。唯一、敢えて難点が在るとすれば脚本家は多くの表現者がその根底に抱えている育ちの中や社会的位置の為に体験せざるを得なかった不条理の体験からくる人生に対する苦い認識が弱いかも知れない点だけである。余りにも理知的なのだ。まあ、それがこの作家の強みでもあろうが。

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    2026/04/27 09:25

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