おにぎり 公演情報 Antikame?「おにぎり」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    【おかか】観劇、面白い。
    ぼぼ素舞台、しかし作品によって異なる空間を演出する驚きと面白さ。「背中をむける」(2023) と「中間的、に於いて」(新作)は、その舞台となる場所(空間)と向き合う人の距離感が対照的、そして時代的なものが浮かび上がる。一周まわって主張する奥深さ!ーハザマと向き合う—とは何か?

    少しネタバレするが、「背中をむける」は大学教授と教え子の濃密(蜜)な会話を通して危険な関係が漂い始める。そして その教え子の妹が教授に向かって…。「中間的、に於いて」は街中もしくは駅のホームという大勢の人が行き交うが皆無言。ただ歩き 初対面の待ち人を捜しているよう。敢えて比べるとすれば、教授の部屋という或る密室空間、一方 街の中という開放的空間が巧みに立ち上がる。
    (上演時間1時間10分) 

    ネタバレBOX

    ●「背中をむける」(2023年)
    教授と教え子の ただならぬ関係を匂わす、そこに優越的な地位を利用したセクハラ問題があることは すぐ解る。しかし地位や立場を抜きにすれば、男と女、そして年齢の違いがあるだけ。2人の付かず離れずの言葉遊びのような会話が面白い。そして教え子の妹が現れ、教授を告発すると半ば脅しにかかる。教授と姉の熱い対話、一方 妹とは冷たい会話、同じ話し合いでも状況によって全然違う光景が見えてくる。

    「Sign of the times」の公演で観た時と全然違った印象、それは姉妹の関係による。今回は姉妹という関係があまり感じられなく、それぞれの女優が姉と妹を演じているよう。同じ物語でも演出と演者が違うと また違った味わいになる、そこに演劇の一期一会といった醍醐味を感じた。

    ●「中間的、に於いて」(新作)
    無言(劇)、それでもドラマは立ち上がる。音響によって街中の騒めきや駅ホームの放送案内が聞こえる。場所が重要なのではなく、そこに行き交う人々の(無)関係が絶妙に描かれていること。歩く人は誰を探しているか、待ち合わせているかのよう。スマホを手に持っており、人と繋がっているようで 実は孤独といった都会事情が透けて見えてくる。

    当日配付のペーパーには「抽象的、実験的な演劇で、思索を促すもの」とある。演劇は必ずしも視覚だけではなく、聴覚(例えば朗読劇など)に訴える表現もある。その意味では無言劇という表現もあり得る。映画でいえばサイレントムービーで、そこで映さ(描か)れる物語は、奇妙・奇抜であっても楽しめる。自分の中では、きわめて現代的な しかも大都会といった光景がリアルに描かれていた と思う。今、街には声が溢れている、しかしお互いの声は届いているのだろうか?実にシュールだ。
    次回「こんぶ」公演も楽しみにしております。

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    2026/04/24 05:43

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