リチャードⅡ 【ご来場ありがとうございました】 公演情報 演劇集団 砂地「リチャードⅡ 【ご来場ありがとうございました】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい力作
    昨年から観劇を決めていたが、熱量が半端ではなく、想像を超える力作だった。作・演出の船岩祐太さんは1985年生まれというのだから驚きです。
    原作はシェイクスピアだけれど、むしろシェイクスピアにまったく関心のない人に観てもらいたい。
    演劇好きな人ならまちがいなく「見逃したら損」と言える作品。どれだけ凄いかぜひご自分の目で確かめていただきたい。

    ネタバレBOX

    舞台一面に敷き詰められたたくさんの衣服。開演前、それをたたんでいる女性2人がスタッフかと思ったら、登場人物の女優さんだったので驚いた。カワムラ(小瀧万梨子)とシミズ(守美樹)、2人の女店員は男たちが舞台で繰り広げる政争を見守る庶民であり、男たちに踏みにじられる衣服は荒らされた国土、国民をも象徴しているようだ。本編の合間に、劇団活動をやっているシミズが演劇環境の現状をカワムラに説明し、観客に演劇と社会との関連性を見せてくれる。王妃(岡田さやか)が買い物客の女性として登場し、女性の出産の自由について女店員と口論を始めたりする。この女性は浪費でも満たされない王妃の心情をも吐露する。リチャード王(稲葉能敬)が小泉純一郎よろしく、「私に反対する勢力はすべて抵抗勢力だ!」と言ったり、リチャードを追いやって王座についたヘンリー(中村伝)が現代のマニフェストを読み上げたり、この政争劇は我々に身近に迫ってくる。
    つい最近、内閣改造があったので、臣下たちの節操のない寝返りにどこか共通点を感じて苦笑してしまう。政治状況をめぐり、最近、ネットの一部でメディア権力の横暴、記者クラブ批判などが盛んに議論されてるようだが、この劇中にもカメラマンが登場し、「国民は我々が報道する言葉を通してしか為政者を信用しない」 というニュアンスの台詞を発する。まさにいろんなことを考えさせられる作品だった。
    男たちの乱闘の迫力もドキドキするほど凄い(暴力の効果音を出す手が痛いだろうなぁ)。カワムラが実は妊娠しており、とりあえず実家に戻り、シングルマザーの生き方を選ぶことを告白。女店員たちが生活への不安を語る場面が切ない。舞台上のポールを伝って地下から俳優が出入りしたり、モニター画面を上手く使うなど、演出もよく工夫されている。
    自分が観た回は、難解な長台詞のためか、俳優が台詞をまちがえて言い直す箇所がいくつかあったのが残念。

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    2011/01/18 18:28

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