公演情報
焚きびび 「グッド、バーニング」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
間を置かずして二度目の水性での観劇体験。一度目が良かったので野放図な期待大状態で観劇。折込にダンス系の公演チラシが多い。そう言えば黒田育世が振付スタッフにあった、とは後で思い出したが、観劇の最中は普通にお芝居と観ていた。男女二人が主要人物以外を扮装により演じ分けてロードムービー的展開の芝居を進めて行く。二人芝居の末尾に、踊りというのか、ムーブ的表現で詩情を歌い上げる場面が据えられていた。作演出の益山氏はロマンチストで、この舞台表現の中に様々な現代を、生きる事の要素を散りばめたかったようである。だが同時進行的にはその意図を情感をもって汲み取ることは易しくなく、リアルと幻視の風景の境界、人物の根底にある行動の動機は見えづらい。後で反芻する事によって、検証によってこの劇構造と物語を読み解く事が可能なのかも、であるが・・。
もう遙か昔に思えるのが震災を挟んだ数年に亘り、池袋で開催されていたF/T tokyoという演劇フェスティバル。海外からの招聘作品もあり、国内のもあった。このイベントも自分には多くの新しい劇団発見の機会で、賑やかしい劇団子供鉅人の舞台で一度だけ益山氏作品に触れた。大部分記憶にないが(というより観た直後でさえ自分が何を見たのか反芻する作業自体が難渋した)、十余年を経ていれば当然と言えるのかもだが、テイストが違って感じる。舞台に色んな物をぶち込む的な世界は変わらずで、しかし狂気は理性に置き換わっていたという感じがふとした。
話は女性ユーチューバーと、これにハマった四十男のある種の関係(構築された、のか、どうなのかは確定的には書けない)をめぐる物語。そして「事件」ナイフと、血。人物と事件、アイテムを並べた時点で凡そ想像される範囲を物語は出ない。演出的工夫により、現象的にはある範囲を出ない「現実」を抜け出る事が許される・・ただしそれが何を象徴し、どのような望みとその具現を予兆するのか、掴み取り切れない感覚であった。