ドリルチョコレート「テスタロッサ」 公演情報 MCR「ドリルチョコレート「テスタロッサ」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    うわぁあ・・・!!!
    圧倒的に面白かったです。

    ここまで貫いてくれるだけで大満足だし、櫻井演劇独特の余韻もしっかりと残って・・・。

    その余りある可笑しさと、それを支える太くて繊細な想いたちに
    すっかり魅了されてしまいました。

    ネタバレBOX

    3組の男女の会話劇なのですが、
    個々のキャラクターが強烈。

    女優陣ひとりずつでも
    醸し出されるキャラクターには十分凄まじい印象があるのに、
    それが個々に観る側の枠を踏み越えて
    面倒くさかったり跳んでいたり捻じ曲がっていたりするから
    観る側は、もう、良い意味で休む暇がない・・・。
    冷静に考えると男性陣も個性が強いキャラクターなのですが
    そんなもの、消し飛んでしまうほど。

    でも、女性たちもただ節操なく暴れているわけではなく、
    きちんとありふれた感情のデフォルメであるところが
    この作品の秀逸なところ。
    よしんば狂気を漂わせるような雰囲気が醸しだされていても、
    そこからあふれ出てくるのは狂気ではなく
    恐ろしく切ない男女の愛情の交わりだったり
    すれ違いだったりするのです。

    きまぐれで甘え上手だったり、
    自らを壊してしまうほどに相手への想いが深かったり
    一度捻じ曲げないと自分の気持ちが出せないほどに臆病でシャイだったり・・・。

    でも、そのあたりをためらいなくぶつけられる男というのも
    ある意味冥利に尽きるわけで、
    受け止める愛情の奥行きがそこにはあって。

    3組のカップルが成立する理が
    しっかりと伝わってくる。

    キャラクターたちへのデフォルメを支える足腰が
    役者達にあるからこそ成り立つ世界なのだろうし、
    そのデフォルメの見応えには
    ひたすら瞠目するばかりなのですが、
    その突き抜け感にとどまらず
    それぞれの個性が内包するピュアさが
    すっと浮かぶ刹那もとても魅力的。

    台詞にまで至らなくとも
    舞台を捌ける近藤・川嶋(中川)のカップルがすっと手をつなぐあたりなど
    観ていてうるっとくる。

    散々笑った後に、
    櫻井演劇のエッセンスをしっかりと感じて。
    腹筋を痛めてしまうほどの笑いの深さと突き抜け感に翻弄され
    でも、舞台上の男と女の想いをしっかりとかかえて
    劇場をあとにしたことでした。

    === ===

    キャストが変わるということで
    公演を前後半、2回見たのですが、
    役者それぞれのトーンがしっかりと機能していて、
    優劣ではなく広がりとしてその違いを味わうことができました。

    ちなみに2度目は大楽だったのですが、
    それもあってか
    近藤さんのお芝居の切れは
    手練の男優たちで固めたシーンの土台を
    崩壊寸前にまで追いこむような力にまで昇華していて。
    すでにその力量を見せつけられていたにも関わらず、
    ふたたび愕然。

    笑いながら、一方でその魅力にぞくっときてしまいました。

    ◎◎☆◎◎◎△△△☆




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    2011/01/17 06:10

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