天照と倭姫命 公演情報 人間の条件「天照と倭姫命」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    この団体が事前に提示してくれる公演コンセプトやあらすじなどは、とても丁寧で、かつ観劇の参考になるので、興味のある方は公演概要をご覧ください。公演チラシには「本作で挑むのは、神道を切り口とした、日本人のアイデンティティの再定義」とあります。これだけ読むと難解な印象が残りますが、実際の上演には、観客への配慮と見易さへの工夫が多く見受けられます。特に、シーンの意図と表現方法の因果関係が明確で、「いま何が表現されているか?」を想像しやすく、自分の意思で思考を巡らせることの多い、価値のある観劇体験ができました。

    ネタバレBOX

    舞台構造や演出などに能へのリスペクトを感じ取ることができます。モチーフとの相性もあり、その試みは上手く機能していると感じられました。物語はある種ロードムービー(移動する物語)的な側面があり、天照大神を祀る土地を探す旅に出て、その先々で様々な登場人物たちと出会います。彼らは土地それぞれの神々を信仰しており、天照や大和の国に対して抱く感情も様々。人々がその土地で生きること、そして、その信仰や生活が略奪されたり、服従を強いられることなど、同化や異化、あるいは共生などの諸問題が描かれます。

    時代設定は大体2100年くらい前の日本だが、現代に創作され、上演され、現代の観客が観ることで、いまの日本社会が抱える問題をいくつも連想することができます。多くの創作意図が背景にあり、結果としてそうなっていることは理解しつつ、それでも、現代を写す鏡としてしっかり機能していることに感銘を受けました。学びの多い観劇体験に感謝。

    0

    2026/04/05 00:09

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大