ドリルチョコレート「テスタロッサ」 公演情報 MCR「ドリルチョコレート「テスタロッサ」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    台詞のやり取りが気持ちいい!
    スピード&リズム感と役者のうまさが光る。
    そして、設定がナイス!

    ネタバレBOX

    パンクバンドをやっている、もう若くない3人とその恋人たちとの物語。

    なんだかパンクバンドの3人より、もっとパンクな恋人たちがいる。
    生き方がパンクっぽかったり、うるさかったり、奇天烈すぎたりと。

    だけど、よくよく考えるとその中に「普遍的な恋愛」が見えてくるのだ。相手のことを強く想いすぎて、自分がコントロールできなくなったり、コミュニケーションがうまくとれなかったり、相手のことがわからなくなったり、そんなことは、誰でも経験したことがあるだろう。

    恋愛の入り口だったり、中だるみだったり、終焉だったり。
    そんなお互いのやり取りと、気持ちのシーソー的な動きを繰り返しながら、恋愛は進んでいくのだ。

    例えば、近藤美月さん演じる中川の彼女の行動は、最初は面白いと思いつつも、次第にエスカレートしていく様は、理解できるものではなかったのだが、2人の関係がとてもいいことを見ると(手をつないだり)、これは彼女なりの彼とのコミュニケーションの取り方なのではないかと思ってくるのだ。
    パンクな彼氏に、ある意味合わせて、自分に興味を持ってもらいたい一心で行っていることではないだろうか。
    そういう意味では健気すぎるぐらいのことなのだ。

    言うまでもなく、失礼ながら、パンクなバントのベースを担当している有川役の有川マコトさんがカッコよく見えてしまうのも恋愛マジックであろう。

    声が聞こえなくなる、言葉を翻訳する、なんていうのは、まさに恋愛の比喩だしね。

    櫻井智也さん演じる櫻井の彼女に対する想いが、他人(他の男性2人)にはイマイチ伝わらないことなどとも併せて考えると、そうした「恋愛中の行動」とは、得てして他人から見れば、奇異そのものではないのだろうか。
    自分であってもあとから考えると、赤面以外の何ものでもないことを、平然とやってのけるのが、恋愛の面白さでもある。

    そうした恋愛模様をやや肥大化させつつも、哀愁さえ感じさせる極端さが、とても染みるのだ。
    それは、女だけでなく、男においても、滑稽であり、哀愁なのだ。

    そうしたドラマが、とてもいいスピード感で進んでいく。
    台詞の畳み掛けは、役者のうまさと演出の手際の良さからくるのだろう。

    後半から中川役の中川智明さんが参加したということなのだが、もう、この役は彼しか考えられない、という感じに見えていた。
    近藤美月さんの痛い役は、上にも書いたように、「健気さ」を感じたところから、痛々しさが見えてきて、「ああ恋愛なんだな」と思えてきた。
    石澤美和さんの、独特の間のうまさ、見えているキャラクター以上の面白さがたまらない。
    あずきさんを演じた小椋あずきさんの、一直線さは、実は恋愛時期にはありがちで、怖さもありつつ、ぐっとくるものがあった。

    情報量が多い、過剰とも言える台詞は、なかなか気が利いていて、笑った。「パンクジャンケン」なんていう、センスの良さも光っていた。

    ああ、そうそう「パンクバンド」っていう設定がいいなあ。
    暗転の音楽も気が利いている。

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    2011/01/14 02:02

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