伽羅先代萩 公演情報 江戸糸あやつり人形 結城座「伽羅先代萩」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    仙台藩三代藩主の伊達綱宗は遊郭で放蕩三昧。(相手は吉原三浦屋の高尾太夫の噂)。1660年7月、家臣と親族大名の連名での陳情で幕府が動き、21歳で強制隠居させられた。四代藩主になったのは2歳の伊達綱村。その後、実権を握った大叔父の伊達宗勝の専横が問題になり、伊達宗重が幕府に上訴。幕府審問の控え室で伊達宗勝派の原田宗輔が訴えた伊達宗重を斬り殺す刃傷沙汰に。原田宗輔もその場で斬り殺された。この騒動の責任を取らされて伊達宗勝の一関藩は改易に。

    今作はこの「伊達騒動」を鎌倉時代の奥州藤原氏一族に置き換えている。作者は松四貫、高橋武兵衛、吉田角丸。
    伊達綱宗が吉原に通う際、伽羅(きゃら)の下駄を履いたという。最高級の香木である伽羅を銘木と読み、舞台である仙台藩を掛けたタイトル。逆に歌舞伎から由来し、マメ科の黄色い花にセンダイハギと名付けられた。

    ネタバレBOX

    義太夫・竹本越孝(こしこう)さん。
    三味線・鶴澤津賀花(つがはな)さん。

    ①花水橋(はなみずばし)
    福田善之が新たに書き下ろしたヴァージョン。屋台の二八蕎麦屋に来たベロンベロンに酔っ払った仲間〈ちゅうげん〉(三代目両川船遊氏)と蕎麦屋の親父(十三代目結城孫三郎氏)の遣り取り。
    遊郭から駕籠で帰って来た足利頼兼を逆臣・仁木(にっき)弾正の配下である黒沢官蔵(小貫泰明氏)とその手下達が鎌倉・花水橋で襲う。オリジナルではお抱えの力士・絹川谷蔵が駆けつけて蹴散らすのだが、今作ではとある剣士・松が枝節之助(三代目両川船遊氏)が人形真っ二つに暴れ回る。
    殺陣の時、人形の脚が180度開脚してしまうのが難点。不格好。

    ②竹の間

    ③御殿=飯焚き(ままたき)+政岡忠義
    乳人(めのと=乳母)である政岡(三代目両川船遊氏)。「頼朝公からの見舞いの菓子」を逆臣方の栄御前(結城育子さん)が鶴喜代君(大島千波さん)に食べさせようとする。どうにも困った政岡であったが突然飛び込んで来た息子の千松(安藤光さん)が貪りついて平らげる。毒に悶え苦しむ千松を仁木弾正の妹、八汐(十三代目結城孫三郎氏)が懐剣で突いて絶命させる。毒殺の証拠を消す為だった。それを見ても顔色一つ変えない政岡。皆が帰った後、もがき苦しんで泣き叫ぶ。「でかしゃった!」そこに八汐が襲い掛かる。政岡は返り討ちにする。
    心情を切々と訴える女方の見せ場=クドキ=口説き。
    忠臣方の沖ノ井(湯本アキさん)。

    ④床下
    床下で警護の為、宿直(とのい)していた荒獅子男之助(三代目両川船遊氏)が現れた異形の大鼠(小貫泰明氏)の首根っこを踏み付ける。隙を突いて逃げる大鼠、小柄を投げると額に当たり姿をくらます。その正体、額から血が流れていることに気付いた長袴の仁木弾正(十三代目結城孫三郎氏)はニヤリとして花道をゆっくりと去って行く。
    小姓千弥(湯本アキさん)。

    ⑤対決

    ⑥刃傷

    一時間の作品が終わるとトーク・ショー。演劇評論家・葛西聖司氏が淀川長治みたいで好感が持てる。圧倒的な知識量、目線の一つ一つが勉強になる。
    三代目両川船遊氏は今年83歳、死の話ばかりする訳だ。
    明治時代、9代目孫三郎がそれまでの人形遣い師が高い足場から操作することをやめ、出遣いで台詞も喋るように変えた。
    十三代目結城孫三郎氏は逆に一度、伝統である足場での人形遣いを経験したいと述べる。

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    2026/03/26 21:46

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