公演情報
HOTSKY「「ミカンの花が咲く頃に」2026」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白い、お薦め。
パンフに「農地を分断された九州のミカン農家の実話を元に社会を見つめ、今を生きる人々の姿を描いた舞台」とある。高速道路建設に伴う猿ケ実村の立ち退き問題を描いた群像劇。何でもかんでも国-行政の施策を反対ばかりしていては発展は望めない、しかし それを無批判に受け入れるばかりでは当事者の生活や環境は成り立たない。この公演、表層的には立場や思惑といった違い 二項対立のような展開になりそうだが、少し観点をズラしたところが巧い。それがチラシにしっかり書かれている。「考えてるんだ。どうすればみんなが悲しくない未来が来るのか、考えてる」、この台詞を言った人物の背景(経歴)と思いが重しとなっている。
2015年秋。母 野枝の十三回忌に出席するため、長女の拓未を伴って訪れた美羽。共に生きていくことはできないかと模索する村の人々の姿が、美羽や拓未に変化をもたらしていく と。村の当事者の立場から距離を置いた2人の心情、しかし 拓未の中に燻っていた自立心に繋がる。物語は 社会的な問題を描きつつ、人間ドラマ しかも夫々の成長譚も浮き彫りにする。
少しネタバレするが、物語は現在と過去を交錯させ、さらにラストは未来をも描く。時の変化は、登場人物とその衣裳 そして喋り方に特徴がある。冒頭は方言(台詞)が聞き取れないところもあるが、取るに足りないこと。
少し気になったのが、2015年という設定。タイトルにもなっているミカンの木がある山の崩れ、山腹にあった奉納神楽の神社が崩壊した。その災害の根本原因は何か?神社は避難場所に指定されていた と。何となく東日本大震災を連想したが…。
(上演時間1時間50分 休憩なし)