海の凹凸 公演情報 serial number(風琴工房改め)「海の凹凸」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    serial number 13 『海の凹凸』を観劇。

    あらすじ:
     1980年、東京・東亜大学では、市民講座で公害問題を扱い、資料の開示や被害者への救済の継続を含め、世に大きく知らしめようとするが、時間と共に社会が興味を失いない、危機感を感じ始めている。
     そこに横浜から水俣病に関心のある女性が現れ、活気付き始めるのだが…。

    感想:
     公害問題の実の被害者ではない人たちの運動の苦悩を描いている。有名な写真家の視点、被害者家族の視点から描けば物語として分かりやすいが、関心をもった市井の人たちの視点で描くことで、問題の根本が社会を通して見えてくるのだろう。
     彼らの活動から水俣病について知っていくのだが、長い運動時間と並行して、問題を忘れ去ってしまう事の危険性を孕んでいることも警告してる。
    水俣病患者の苦しみや補償についての問題提起もするが、それ以上に国家が無視し続けてきた事実も忘れてはならない。
     登場人物たちは、学生運動崩れの社会人、現役学生、大学講師、教務課職員、作家は間違っている事に声を上げるという事に臆せず、反発へのエネルギーが溢れている。
    1980年代の登場人物たちと現代の我々と比較してもしょうがないが、忘れてしまったものが去来するのは確かだ。
    社会が興味を失った運動を継続するには、家族を捨ててでも、恵まれた職場を去ってでも、同士を募り、厭わずに向かっていき、喜びを見いだせないと運動は続かないのだろうか?と観客は疑念を抱き、立ち止まってしまうが、そこがクライマックスであったのは事実だ。
     長い会話劇で、展開の波もないので、息苦しさを感じる140分だったが、余波を引く作品なのは間違いない。

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    2026/03/06 21:29

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