かんとだき(再演) 公演情報 ネコ脱出「かんとだき(再演)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ぐつぐつ煮えてましたね
    舞台の上が。
    なかなか熱い「かんとだき」、いや、舞台だった。

    まさに浪速の人情喜劇。
    熱い心を持った人たちが、熱く、熱っ苦しいほどの情熱を振りまいていた。

    ネタバレBOX

    冒頭から力業で引っ張っていかけれたという感じで、あれよあれよで、笑ってほろりとさせて。

    「大事な人のために、死ぬことができるか(死ぬほどの苦労を厭わないか)」というテーマ(ちょっと、きな臭い感じがしないでもないが)で、戦争帰りのヤクザたちが、戦場で果たせなかった想いを、通天閣という大阪の象徴の復活にかけて奔走するストーリー。
    これ1本でぐいぐい進めたほうがよかったのではないだろうか。

    サブストーリーとして、現代の秋葉原オタク文化とその仲間たちの絆を描いていくるのだが、これが、単にコスプレをしたかったのできないかという内容。
    オタク大会の様子も、別に後への伏線になるわけでもないし、特に面白いわけでもない。

    ラストにこの戦後間もない頃の大阪のストーリーと、現代アキバのストーリーがわずかに重なるのだが、それは「重なる」というよりは「カスル」程度の印象。

    「人の絆」的なテーマがあって、それを現代のオタクたちにあてはめて見せていきたいのはわかるのだが、それを強く主張するのは、メイドカフェの店長のほうなのだ。
    だから、てっきり通天閣のほうに出てきた花子との関係は店長のほうにあるのかと思っていた。花子が体験したスピリッツを受け継いでいたと。というより、店長の歳の話がしつこく出てきたので、ひよっとして、店長は花子? なんて思ったりもしたのだが、違っていた。オタク青年のほうに、花子はつながりがあったということになっていた。
    これはすっきりしない。メイドカフェの店長の位置づけがだ。
    もし、オタク青年のほうのつながりにするのであれば、もっと執拗に友人とのつながりを持とうとしたりしたほうがよいのではないだろうか。

    わざわざ2つのストーリーを走らせる意味のようなものをあまり感じなかったのだ。
    ストーリーを別々に走らせるのではなく、せっかくの舞台なのだから、もっとうまく重ね合わせたりなど、いろいろなことができたのではないだろうか。
    そこが少し残念ではある。

    ついでに書いてしまうと、メイドカフェの店長の大股開きは、あまり楽しくない。お上品にやれ、というのではなく、面白くやってほしいのだ。つまり、笑わせてほしい。店長のキャラクターがわかりにくくなってしまうし。

    とは言え、ネコ脱出はとても気に入った。
    まさに、「かんとだき」のように、いろんな具であるキャラクターが濃くいい味を出していて、楽しいのだ。
    また観たいと思った。

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    2010/12/31 06:16

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