可愛い怪物 公演情報 劇26.25団「可愛い怪物」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    面白い!
    初見の劇団だったが3部作からなる物語の構成とそれぞれの一部の中にはめ込んだエピソードの表現がお見事。登場人物のやることなすことアニメ的なのはキャラクターの立ち上がりが既にコメディなのだ。笑

    ネタバレBOX

    2012年、香は大学1年生だ。勘違いな恋もするごくごく普通の女の子だったが、香はタオルを手放せない。緊張すると両手に溢れんばかりの異常な汗をかくという特異体質なのだった。

    時は2007年、香が中学二年生だった冬に時間軸は戻り、香の通う塾での一幕になる。講師や同級生、高校生らも加わりジョンレノン似の目黒先生への「秘めた恋」ならぬ堂々と塾生がコクるという場面だが、次第に目黒先生の痴漢疑惑が浮上する。その際、香の母親がとった厚顔な態度・・傲然たる自信、満々とした自負、キッと首をもたげた軍鶏のような闘志・・ずいぶんたくさんの根深くてしぶといものが込められているらしい物言いに香は唖然とし、更に恥ずかしい思いもし、深く傷ついたのだった。

    塾に押しかけてきた母親と香の対峙は、香が持つ思春期特有の恥という感情を逆なでし、また、大人になりかける前の語彙が乏しく未熟な香を自分の母親に傷つけられた格好になっていた。


    やがて2009年正月、引きこもりになっていた中学3年生の香にちょっとした騒動が訪れる。ペットがいなくなったとブリーダーが騒ぎだし、それに乗った商売としてペット探偵なるものも現れる。この騒動で香は引きこもっていられない状況になり、また、このペット逃がし事件の犯人を香は母親がやったと嘘をついてしまう。2007年のあの時から母親に対し燻っていた負の感情が頭をもたげてしまった瞬間だった。大抵の母親が娘に対してなかば強引に事を仕切るのは万国共通だと思うが、母親の過剰な愛情や強引さは時として度が過ぎて迷惑をかけられることも多いのである。

    香のかく異常な汗に異常なほど心配する母親。しかしそんな母親にも恋人が登場する。母と娘の関係とその家族らはこのまま突っ走るのかと思いきや、母親はこの少し先に死ぬ運命にあったのだ。母が死んでから香は激しく後悔する。当時、母親に濡れ衣をきせたままで逝かれてしまったのだ。その後悔を自分の中で消化する為に香は2012年から2007年に戻り、当時の香(過去の自分)に会って、母親に「ごめんね」と謝りたい一心で交錯させた物語だった。

    場面場面のフザケタコメディやあざとい会話も中々楽しかった。芝居の内容とフライヤーがあまりにもかけ離れていて、損してるような気がする。もうちょっとフライヤーは考慮したほうが良さそう。芝居の内容は好みだった。

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    2010/12/27 16:14

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