ガラパコスパコス 公演情報 はえぎわ「ガラパコスパコス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    なにしろ、おもしろかったぁ!
    なにしろ、おもしろかったぁ!

    ノゾエ征爾氏を劇団、江本純子「婦人口論」で観たときから
    かなり気になって。やっとはえぎわの本公演が観れた。
    しかもおもしろい作品で感激!

    ベースはとても難しいテーマなのに、重すぎず。
    でもそのテーマを軽視して笑いに持っているのではなく
    真摯に向き合っているのが伝わってきた。
    大人数の個性的で変わった登場人物、個性的な表現、
    何しろいろいろいろいろ盛りだくさんに足されて
    思いっきり爆笑もできるやさしい作品だった。

    もちろんホロッと泣きそうになる場面や
    ジーンと心に重くしみ込んでくる場面も。
    喜劇なのか悲劇なのか…その間になるのかな。

    そうそうタイトルが「ガラパコス」から
    「ガラパコスパコス」に改名されてました。

    ネタバレBOX

    ベースは「老いる」更なる進化なのか?退化なのか?
    介護問題からの人間関係のもつれもからんできて…。

    出張ピエロを職業とするちょっと頼りなく見える青年タロウ
    (坂口辰平氏)と養護老人ホームから抜出した迷子の老女
    マッチャンことトクナガマチコ(井内ミワクさん)の出会い、
    同居、別れまでが描かれているお話。
    そこにタロウの兄(ノゾエ征爾氏)とその家族やタロウの雇い主
    (町田水城氏)、その部下の新人社員(笠木泉さん)隣人、友人、
    ホームの職員etc…が、からんでいく。

    天以外の4面が黒板塗装された舞台美術で、
    チョークで場面に必要なモノ(イスとかトイレとかコップとか
    ウンチとか)や言葉、役柄、部屋や家の境界線を書きながら話は
    進んで行った。これがとてもほのぼのでイイのです。
    はじめに2人が出会いタロウの家にマッチャンを招き入れる時に、
    部屋の境界線に入り口を作って線をそこだけ消すシーンが
    とても印象的で感動。

    後半ボケが進行してきたマッチャンは一人でお留守番している時に、
    お漏らししてしまったウンチが気持ち悪くて、ウンチをかべに
    なすって部屋中を汚してしまう。これ…本当にあるんですよね。
    黒板にウンチの絵が描かれた時、ハッとしました。
    去年、自宅介護の末、他界した祖母がかさなって…。
    どんどん無邪気な子供のようになった祖母を思い出して…。
    だからこそ共感と笑いを素直に受け入れられた気がします。

    こうやって書くと重そうに感じると思いますが、いやいや、
    この外枠で違うシュールな爆笑の世界も繰り広げられるのです。

    なぜかいつもバスに乗れない女(川上友里さん)表情が切ない。
    けれど爆笑!しかし彼女は爆音とともについに…とか、
    老女 マッチャンを心配する孫(踊り子ありさん)が養護施設の
    職員2人(滝寛式氏、鳥島明氏)をものすごいスピードで
    ボコボコに!これは観客みんな凄すぎて爆笑とか、この養護施設
    の職員2人の会話の笑ってしまうエグさとか、どうみても英語
    しか話さない人物には見えない英語しかはなさない隣人の男がいたり、
    しかもなぜかドライヤーで感電死。爆!とか。
    幼なじみの隣人は担任の教師を離婚させて結婚していたり。
    タロウの兄と嫁(星野美穂さん)に懺悔して許しをもらいたくて
    つきまとう他人コウスケ(富川一人)。懺悔理由は嫁に…(ここは笑えない)。そしていつもバスに乗れない女がバスの前に飛び出し、
    爆音とともについに…とか。etc…etc…

    人間の進化と更なる進化(退化?!)をコンテンポラリー風?に
    表現したダンスをボレロにのせて延々と。これがなかなかイイ。
    踊りだす前に黒板でも進化の図が…。

    そしてラストは全員でWe are the world大合唱。
    はて?なぜ?不思議なラストだった。

    でもおもしろかったぁ!

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    2010/12/23 11:18

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