サンタクロースが歌ってくれた 公演情報 演劇集団キャラメルボックス「サンタクロースが歌ってくれた」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    有り得ないことを信じさせる力
    久々に観るキャラメル。やはり、生で観るこの劇団には、独特の力があると感じました。

    大方が、SFファンタジー的作品が多く、ストーリーだけを語ろうとすると、正直バカバカしいような印象すらあるのに、それを、観客に、まるで、有り得ることのように錯覚させて行く、劇団の天分のようなものを感じてしまうのです。

    かつて、この劇団のファンだった時、やや生理的に耐えられないと感じた、女優さんのキンキン声も、今回の芝居では感じませんでした。

    以前は、苦手な女優さんだった、岡田さつきさんや、大森美紀子さんの好演は、観ている内に、頬っぺたが緩む程、嬉しい発見でした。
    三浦剛さんは、たぶん初舞台を拝見しています。「容疑者Xの献身」の時にも、良い役者さんに成長されたなあと感慨深くなりましたが、今回は、更に、役者としての器の広さを感じ、とても頼もしく思いました。

    西川さん、上川さん、近江谷さんのトリオが揃う舞台は、何年振りでしょう?
    3人が、同じ舞台上にいるだけで、涙モノでした。

    やっぱり、キャラメルって凄い!!そう感じさせられた、25周年記念公演でした。観られた幸運に感謝します。

    ネタバレBOX

    先日、てがみ座で、「乱歩の恋文」を観たこともあり、余計、私には感慨深い作品でした。

    初演は、テレビで観て、あまり面白くなかった印象が残っていたのですが、こういう、ストーリーの芝居は、やはり、劇場で体感すべきものだという気がします。

    上川さんと、近江谷さんの掛け合いが、大変息が合って、観ているだけで、ニコニコしてしまう自分がいました。

    パンフで知った、成井さんの、鈴木聡さんに対する思い、そういう同業の先輩に対する作家としての想いが、投影された作品だったのですね。そうして見ると、かなり奥が深い作品だなあと、改めて感じます。

    テレビ明後日にいる役者上川隆也が言う台詞、「太郎は、僕じゃないけど、僕は太郎だ!」、聞いていて、涙が出そうになりました。
    私の大好きな役者さんである上川さんは、きっと実際も、常に、そういう意識で役を演じて、その役を生きている役者さんなのだろうと、思います。

    芥川の熱烈な読者である、すずこが、芥川の生涯を知っているが故に、想いを込めて吐く台詞にも、胸熱くなるものがありました。

    ストーリー的には、大したドラマはないかもしれないけれど、この作品、改めて、大好きだと、認識しました。

    うん、また時々は、キャラメルも観に行こうっと。

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    2010/12/22 20:00

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