満足度★★★★
高校生にしかできない感情表現
高校演劇は初めて観ます。
普段はコメディやハートウォーミング系が好きな僕。
感想を一言で言うと、全般的に思春期独特の迷いとか不安とか暗さを上手に表現できているなと思いました。
演技というか素で高校生の感情が発露されてるようで、それが心に響きます。
◆せたそーのあゆみ
3組のうちで一番泣ける話でしたが、既成の脚本というのは惜しいです。
祖母の思い出やペットを飼いたいなど、誰もが心の内に秘めていそうな郷愁や思い出に訴えかける。
ドラえもん「おばあちゃんの思い出」みたいな。
犬の演技がかわいかった。メガネ女子で統一しているのもアイディアですかね。
次はぜひラブコメにはじめの一歩を踏み出してほしいです。
◆冒険授業
3組のうちで一番、高校生らしい作品と感じました。
最後、セツナ系な終わり方も好き。
この劇団…じゃなく、演劇部はコメディのセンスが光ります。
ボソっと「ジャンプです」(プっ)とか、おもむろに「イマジナリーフレンドです」(ハァ?)みたいな。
それと、女優陣のキャラが映えてました。先生役の二人・ともちゃん&もとちゃんあたり。
古典の授業は眠くなるので、次回はぜひ明快なラブコメで笑わせてほしいです。
◆デイドリーム
3組のうちで一番、本格感を感じました。
いや、絶対、小劇場慣れしてる人が作ってるでしょ、これ。
照明が秀逸だし、セットや音楽も効果的。
藍子役の女優の気迫がすげぇ。思春期のコントロールしにくい感情がダイレクトに伝わってきます。
ただ、死ねとか殺すとかゲロとか高校生にしては殺伐としすぎてる気がする。リアルに鬱っぽい。
かっこいい男子の役者もいるんだし、妄想の続きはラブコメで表現してほしいかも。