公演情報
中央大学第二演劇研究会「枯れた椿」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2026/01/17 (土) 13:00
中央大学第二演劇研究会の劇は前にも1回観たことはあったが、その時に観た劇がファンタジーと、どこか昭和的懐かしさと、緩やかな下町的お節介、コミカルさが入り混じった劇で、基本誰も傷付かず、今時珍しいくらいハッキリとした敵が出て来ない新鮮な劇だった。
その前回観た劇とは一転して、横溝正史の『金田一耕助』シリーズの映画版のように和製ホラー要素、村の因習的要素、座敷牢、村が何か隠しているといったこと、ミステリー要素などが絡んでおり、観ていてかなり暗くなり、ジワジワと薄寒くなってきて、誰も救われるとは思われない結末に暗澹たる思いになり、トラウマ級の恐怖が植え付けられる内容だったが、まさに現在的の要素も強い劇だった。
母子家庭の親子に焦点が当たった劇というのも、非常に今の時代にも通用するテーマを含んだ劇だと感じた。
村社会の因習がある幼馴染の3人の内の女の子の地元とある海辺の村に3人で行き、最初優しく見えた村人も、実はこの村は八百比丘尼伝説で有名だが、その人魚の肉を食べた八百比丘尼に人魚の血が流れている家系の人を食べてもらうと、この村が天災や戦争、飢餓等から救われると信じられている村で、オサムがたまたま人魚の血が流れた人だということで村の為に人身御供になりかけ、何とか東京まで命からがら逃げ帰るという、典型的和製ホラーだったが、そこに、かつてオサムが人間を信じ切れなくなった過去の友達との、オサムの親が母親のみの母子家庭だと分かったあとの差別や偏見そういったエピソードが丁寧に説明され、単なる和製ホラー、都市伝説ホラーと言ったものではなく、社会問題や社会の暗部に深く切り込んでいるところに、学生演劇とは思えない程の本気度が感じられる劇に感銘を受けた。
また、性格がどこか読めない、謎が多く、責任感が強く、時に高圧的で、冷酷な側面もある村の村長、村長の子どもの兄弟で、最初優しく見えた二面性のあるお兄さん、母子家庭で育ち親を困らせてはいけないと思い自分の気持ちは押し殺し、周りに合わせて生きてきて、いつの間にか自分を見失いかけているオサム等演じる役が、現役の大学生が演じるにはかなり複雑な役柄が多かったが、二面性のある役も含めて演じ分け、迫真の演技で演じていて、プロ顔負けの演技に感動した。