満足度★★★★
勘で行って正解
これは好きだなあ。きっと作者が二十数年間感抱えてきた「女」というものの周辺にあるもやっとした感覚を、こねてこねて削いでこねて形にしたのだろう。同情もさせないような寂しさの奥底に、それでもこれを表現したいんだという意思を力強く感じる。
個人的には今まで観てきた女性作家が描く女性像の中で、一番リアルな感触だった。なにしろ「男」の欲望という視線に一切迎合しない視点で作られているのがいい。
文学的な色を感じさせるが抽象に走らず実体の中で描ききる姿勢が素敵。
役者や演出は、おっと思う瞬間と鼻に付く瞬間があったが、これからぐんぐん伸びてきそうな勢い。これからも作り続けてほしいなあ。