マイルド・セブンティーンズ・スター 公演情報 椿組「マイルド・セブンティーンズ・スター 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    脚本が面白い
    椿組もチャリT企画も観たことがなかったけれど、こんなに楽しめる番外公演だとは。
    観る前はPTA、教師、生徒をめぐる「喫煙・嫌煙」に絞った話かと思っていたのだが、学園コメディーとしてじゅうぶん楽しめ、コメディー専門の劇団かと錯覚するほど笑った、笑った。
    多くの登場人物がストーリー上無理なく配置され、俳優たちの演技も自然で、本当に学校を覗き見しているような面白さがあった。

    ネタバレBOX

    舞台は、教師の喫煙、教師の暗室の鍵の管理などすべてが緩いまま来てしまった高校。いくら文化祭の練習とはいえ、廊下に面したフリースペースで生徒がリラックスして大声で歌い、ギターをかきならしても、とがめられないのも緩さを感じる。尾崎豊やおニャン子クラブの話題をめぐる先生と生徒の会話がなんとも懐かしい。おニャン子の高井ファンで「セーラー服を脱がさないで」の振り付けを指導する遠藤先生(木下藤次郎)の思い入れの強さが可笑しかった。
    写真が趣味の中島を演じる根岸つかさは他の芝居で何度も観ているが、まったくわからなかったほど若く、女子高生そのものに見えた。
    「暗室」での生徒の騒動などベタな笑いだがコメディーとして巧く作られている。石川先生(井上カオリ)と熱血教師の秋元先生(進藤学)の一挙手一投足に笑ってしまった。井上は「フツーの生活/宮崎編」でのコメディエンヌぶりに注目した女優。演技に説得力があるだけに笑わせてくる。
    喫煙派の田中先生(田渕正博)がカッパにしか見えないピーターパン姿で自説に熱弁をふるう場面も笑えた。
    用務員役の外波山文明が登場すると笑いと拍手が起こり、「暗室」で発見されたティッシュをちりとりで受ける「間」のよさが可笑しかった。
    喫煙教師たちの言い分は喫煙派の本音だとは思う。だが、生来、気管支の弱い自分などは、嫌煙権なんて言葉もない時代、煙モウモウと立ち込める職場で、堂々と権利をむさぼる(?)喫煙者たちに長年耐えてきた体験があるので、健康に害があるかどうかという実証以前に、煙草の煙はとにかく辛いものだという意識が先に立つ(現在では慢性気管炎となり、匂いがしただけで咳が止まらなくなるのだ)。だから、喫煙教師が喘息持ちの生徒の前で咳にも気づかず無頓着に吸い続ける場面には、生徒にかつての自分を重ね合わせてしまった。
    学校教育の場でいくら分煙しても、教師の喫煙が日常的に生徒の目に触れるのは、未成年の喫煙が禁じられていることも含め、やはり好ましいとは思えない。

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    2010/12/11 08:01

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  • KAE様

    コメント有難うございます。
    私好みの笑いのセンスで、非常に楽しませていただきました。
    「段差に気づかずつまずく」とか、「同じものを目撃した人々が次々仰天する」とか、「強風で髪型が極端に変形する」などのベタな笑いが昔懐かしい感じで。
    永井愛さんもそうですが、ご都合主義の設定による人物が登場せず、1人1人がきちんと描かれていて、会話によって人間性が浮かび上がってくる脚本っていいなぁと思いますね。
    コメディーだけどいろんな要素が程よく盛り込まれ、秀逸な脚本で、チャリT企画さんの本公演もぜひ拝見したいと思いました。
    椿組の俳優さんたちの実力は客演等で知る機会も多く、花園神社でのお芝居の高評価も知人から聞いていますが、自分は加齢により昨年の唐ゼミ☆テント公演でも鑑賞にもう体力的限界を感じてしまい、観たい内容でも行けなくなっています。
    ですからこういう番外公演はありがたいです。達者な役者さんたちだから劇団演目とは違うコメディーも無理なく演じきれるんでしょうね。
    KAEさんのレビューが拝読できなくて残念でしたが。
    なお、私が観たのは平日マチネだったので、多少空席もあったようですが、他の日はどうなのでしょうね。平日マチネでもあの程度の空席ならさほど悪いほうとは思いませんでしたが。

    2010/12/12 07:33

    きゃる様

    楢原さんは、頭脳明晰で、独特のコメディセンスがあるので、私も、観てみたいとは思っていましたが、雑事に翻弄され、叶いませんでした。
    どうだったのか気になっていたら、きゃるさんのレビューを拝読できて、幸いでした。

    楢原さんから、珍しく、何通もメールを頂き、入りが悪いのかなと気になっていましたが、その点は如何でしたか?

    私も、タバコの煙は苦手なので、若かりし頃、好きなのに、愛煙家故に彼と別れる決断をする女の子を主人公にしたシナリオを書いたりしていました。(笑)

    どんなストーリーか気になっていたので、きゃるさんのお陰で、内容の一端がわかり、何となく、気分が落ち着きました。お礼申し上げます。

    2010/12/11 22:00

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