【HPにてDVD販売開始しました】ワールズエンドフライバイユーWORLD’s@END-Flyby:You 【HPにて楽曲無料配信中!!】 公演情報 エムキチビート「【HPにてDVD販売開始しました】ワールズエンドフライバイユーWORLD’s@END-Flyby:You 【HPにて楽曲無料配信中!!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「物語」としての強い磁力を感じた
    この劇団の本公演は初めての観劇です。
    広い舞台空間を見事に使いこなし、濃密な作品に仕上げていたと思います。
    学生演劇でゲーム型の作品が目立つようになった時期から、正直、この手の芝居は数多く観て来て食傷気味の感があり、どちらかといえば自分の好みではなく苦手なジャンル。
    ただ、本作には自分の好みとは関係なく、「物語」として観客を支配する強い磁力のようなものが働いていて、魅力的な力作であると認めざるをえません。
    ターゲットとなる観客をはっきり意識して作っていると思うし、こういう芝居が大好きという人はかなりの数いるでしょうから、これからもファンを増やしていくことでしょう。
    番外の「終末の天気」にも出てきたように、作者は「世紀末的世界の終わり」と自身が関わってきた演劇活動体験を関連させた作品がお好みのようで、
    劇団新感線の芝居をより現代的にゲーム化したような印象。
    観客に飽きられないよう今後どのように差別化していくかに注目したい。

    ネタバレBOX

    物語の構成がよくできていて、中に隠された真実に至る過程の仕掛けも見事。劇中「桜田門外の変」「西南戦争」「2・26事件」などが歴史の記憶として登場するが、この場面が緊張感をもって演出されていることに好感を持った。これはこの場面のナビゲーターとなる盗賊団の女首領モモを演じる杉山未央(少年社中)の演技力によるところも大きいと思う。
    劇団ハコブネという命名も作品の主題に沿っているし、演劇少女を演じる
    小石川祐子、瀬戸千夏もチャーミングだが、こういう劇団の会話場面が学生演劇的で、自分にはどうにも甘ったるく感じてしまい、苦手だ。
    サイコセラピスト・アソウを演じる太田守信、彼の深みのある明瞭な台詞回しはこういう役にはうってつけで、作品を引き締めている。
    ラスト近くの電車事故の場面は、JR福知山線の大事故をモデルにしていると思うが、あの事故現場に居合わせた人々の傷ましさを想起させ、秀逸だった。


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    2010/12/11 06:42

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