公演情報
岡崎藝術座「森ノ宮ニーナのおかなしみ旅行記」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
その都度全く異なる風景を見せる岡崎藝術座(変わらぬのは発語の大部分がモノローグの脚本)、今作は森下スタジオ。会場「ありき」と思わせるのも神里氏の製作の手法に関係していそうだ。今作は集客によってはもっとうんと椅子を並べられただろうが、土曜午前の部でも控え目な数。濃い客層ではありそうだったが、それなりに面白い内容のパフォーマンスであった。矢野昌幸氏は初見よりその「普通」な風貌にしては頼りになる感があったが、その実力なりの活躍をされているようで。他の二人の女優は出自を知らず。「旅」に絡めて「オーバーツーリズム」~排外主義へと無理無理な話題の展開でも「これが神里氏の言語」と思えてしまうのは、観た回数だろう。
海外と日本の狭間の目線で作品を打ち出して来た神里氏が昨今の「排外主義」(と呼んで全く差支えないと思う)をやり過ごす事は考えられず(想像)、何らかの昇華を試みた作品であるのには違いないが、話題の飛躍(断絶)・繋がり(関連)の具合に神里流が通っている感触があり、スルメの味に感じられもする。