わたしは太陽 公演情報 ももちの世界「わたしは太陽」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    紹介文からは人魚が主人公のメルヘンの世界のファンタジーかと思いきや、地球環境、 地域再生などの問題をディベートを使って 分かりやすく論点整理してみせた社会派の舞台だった
    こちらがピンク地底人3号の真骨頂だろうか

    紹介文では冒頭の人魚の話しか分からなかったが、地上の島では村長の息子が人魚から人間になった妻の協力を得て、危険な原発を廃炉にしてクリーンエネルギーである太陽光発電を導入する為に活動している(それが人魚王の出した結婚許可の条件だった)。そのための太陽光パネル設置が山を崩し森林破壊、土砂崩れの危険などを生じるというところか問題になるのだが・・・
    これが地域再生(活性化)と絡んで、村の財政、経済問題も持ち出される(補助金や税収の話)
    そもそもは人魚の西の王国は東の難民受け入れで問題が生じるとか、村長の息子雄也が東で勤めていたのがトラウマを抱えて戻るとかの原因が東の地震、津波ということで、東日本大震災と福島原発事故をネタにしている

    舞台は開演前から青い光の中でゴボゴボという音がする
    ここから最後まで照明と音響(雨の音やセミの鳴き声の入れ方など)は素晴らしかった
    セットは簡潔だが、中央奥に作られた窓状のスペースの使い方が憎い
    人魚が泳ぐシーンなどはその窓のスクリーンに影絵で表していた
    衣裳もなかなか洒落ていた

    キャスティングはピタリと当たって、キャストの性格描写は見事だった
    コテコテの関西弁で通した鈴木さん(終演後会ったら「東京生まれの東京育ちです」と言っていた)や人魚王や村長や亀次郎の行く先々に現れる謎の男を演じ分けた内田さんは特に印象に残った

    まあディベートは学生新聞編集長の少年側(環境保護派)の勝利に終わるが、わざわざその父のことを持ち出したのは争点をずらした感があったし、「太陽光はやめてセコイアの樹を植えて観光で客を呼ぶ」というの行政に携わったものとしては特に)

    そうは言いながら、全体としては満足いくものであった

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    2025/12/14 13:19

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