満足度★★★
女の子パワー
ゲキバカの柿ノ木さんを作・演出に迎えた旗揚げ公演はエネルギッシュな中にも涙を誘う要素もあるストレートな作品でした。なかなか作品が掲載されない駆け出しの漫画家の女性が久々に実家に戻って小学生の頃を回想し、やる気を取り戻すという物語で、個性豊かなキャラクターたちが賑やかに小学生時代を描いていて楽しかったです。
ストーリーはありきたりで、演技に関してももう少し表現力が欲しいところですが、ダンスや大雨のシーンの躍動感のある演出で魅力的なものになっていました。個人的には芝居の中に出てくるダンスシーンや大声の台詞は苦手なのですが、この作品ではそのような要素に必然性が感じられてあまり気になりませんでした。水着や生着替えといった男性向けサービスシーン(?)はそれなりに話の流れに沿う形で出て来て、過度に媚を売る様な感じになっていなくて爽やかで良かったです。途中の映像シーンのところでスクリーン代わりのボードを役者の手で支えていたような、生の舞台ならではの演出をもっと見たかったです。
柿ノ木さんとの相性は良かったと思いますが、今後、他の脚本家や演出家とも組んで異なる魅力を見せて欲しく思いました。