さらば黄昏 公演情報 阿佐ヶ谷スパイダース「さらば黄昏」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    阿佐ヶ谷スパイダース『さらば黄昏』を観劇。

    あらすじ:
    過疎化が進む町では、過去の忌々しい事件を忘れつつ平和に日々を過ごしている。そこに犯罪を犯した男が刑期を終えて戻ってくると噂が流れる。巡査を中心に対策を練ろうとするのだが…。

    感想:
    追い詰められた人たちが無謀な行動に出る展開は、過去作『はたらくおとこ』を思い出さずにはいられないが、それに近い感じかと思えども違う。
    刑期を終えた男が戻ってくるという噂にあたふたする町民たち。
    男は現れず『ゴドーを待ちながら』的な展開だと思わせるが、そうにはならない。追い詰められ、怯える町民たちの未知への恐怖に、小さな町での出来事ながら、今の世界情勢が見えてくる。
    下北沢『楽園』という狭い劇場をあえて選んで、群像劇にしているからか、観客も町民に巻き込まれ、謎の男に不安すら感じてしまい、「この問題の解決法は?」と一緒に考えてしまうほどだ。
    町民と観客の不安はどこへ向かっていくのだろうか?と終わりの見えない流れに、長塚圭史は驚くような手法を提示してくるのだ。
    観客の想像力を徹底的に試す『阿佐ヶ谷スパイダース』
    これだから観るのを止められない。
    傑作である。

    0

    2025/11/09 10:24

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大